ドリルや練習帳を手にする田中郁也さん。古いドリルを募って、漢字教育の歴史をたどりたいという(京都市東山区・日本漢字能力検定協会)

ドリルや練習帳を手にする田中郁也さん。古いドリルを募って、漢字教育の歴史をたどりたいという(京都市東山区・日本漢字能力検定協会)

 漢字教育の歴史をたどろうと、古い漢字ドリルを一般から募る取り組みを日本漢字能力検定協会(京都市東山区)が始めた。書き込みがあると古書店などが買い取らず、市場にほとんど出回っていないためという。同協会は、筆順や学習内容の変遷から、漢字教育が現在に至るまでの過程が浮かび上がると期待している。

 教材会社が学校に直接販売した漢字ドリルを主に探している。1988年以前のものを中心に収集し、書店などで手に入る市販品は対象としない。学校に直販する制度がなかった戦前などの市販品は寄贈を受ける。戦前の硬筆練習帳や国語ドリルなども集める。
 
 戦後に文部省(現文部科学省)が「筆順指導の手引き」を発行するまでは、「取」や「寒」などの筆順は一部が現在と異なっていた。ドリルの分析で、筆順に関する指導の移り変わりが見える可能性があるという。漢字を何回書く仕様になっているかや、学ぶ漢字を使った熟語を併記しているかなどが分かれば、指導する上で教育者側が何を重視したかも推測できる。
 
 同協会漢字文化研究所の田中郁也研究員兼学芸員(39)は「多くのドリルを集め、漢字教育研究者のためのプラットフォーム(基盤)をつくりたい。資料は時間がたつほど失われていく。できるだけ多く集まればうれしい」と話す。
 
 寄贈を希望する場合、資料の詳細を同研究所に伝える。受け入れが決まれば、着払いで郵送するか、持ち込む。寄贈者には記念品を進呈する。問い合わせは、同研究所寄贈担当075(757)8651、メールアドレスはkm@kanken.or.jp