三洋化成工業は21日、自社開発した心臓外科手術用止血材について、脳血管を除く血管全体に使える適応拡大が厚生労働省に承認されたと発表した。高度な機能を有する医療機器として、注力するバイオ・メディカル事業の成長のけん引役と位置付ける。

 三洋化成の止血材は独自開発のウレタンポリマーを用い、血液中の水分と反応して出血を素早く止めるのが特長。感染症リスクが少なく、止血が困難な心臓血管手術に用いられている。2014年から医療機器大手テルモが「ハイドロフィット」の商品名で販売している。欧州連合(EU)域内でも昨年、高度医療機器として販売できる規格「CEマーキング」を取得した。
 昨年、市販後の600例の調査で、有効性や安全性に問題がないことがあらためて確認され、当初からターゲットとしていた血管全体への適応範囲拡大に向け準備を進めてきた。
 適応拡大によって、対象となる国内手術は現在の年間1万5~6千件から約6万件に増える。腹部の大動脈の手術や、人工透析のための腕の血管の分路形成手術などでの利用を想定。今後、海外での適応拡大や増産体制の構築を視野に入れる。
 三洋化成は独自技術の医療分野への展開を加速しており、バイオ・メディカル事業で10~20年後に売上高100~200億円の目標を掲げる。安藤孝夫社長は「ハイドロフィットがようやく活躍の場を拡大できるステージにきた」と期待を寄せている。