新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言が出されてからきのうで2週間が経過した。

 先行して対象地域となった7都府県では感染者数の伸びが緩くなっている傾向もみられる。だが、依然として1日当たり数百人の感染者が報告されている。地方では感染が加速している県もある。

 政府は人との接触を最低7割、極力8割減らすよう求め、外出自粛や休業を呼びかけているが、必ずしも奏功していないようだ。

 「行動変容」への自発的な協力をいかに得るか。分かりやすい説明や情報提供がいっそう必要だ。

 宣言の対象地域が全国に拡大されて初の週末だった18、19日、7都府県の主要駅や繁華街の人出は感染拡大前と比べて最大85%程度減少したという。ただ、50~60%台の場所もあり、ばらつきがみられる。混雑する商店街もあった。

 平日では、職場に出勤した社員が6割近くいたことが民間研究所の調査で分かっている。宣言が出る前の7割からは減少し、在宅などのテレワークを実施する企業も倍増したが、出勤そのものを大きく減らすには至っていない。

 紙ベースの書類確認や押印など出勤が必要な仕事が少なくないためとみられる。企業はテレワークが可能な業務改革をさらに進める必要がある。通勤を回避する方策に知恵を絞ってほしい。

 7都府県以外での感染拡大防止も簡単ではない。週末の主要駅などでの人出は、7都府県に比べて減少率が小さい。都市部ほどの危機感には及んでいないようだ。

 感染は地方都市を経て、重症化リスクを抱える高齢者が多い周辺の市町村にも広がりつつある。大型連休を控え、人の移動が感染拡大につながることに警戒が要る。

 2月に独自の緊急事態を宣言した北海道では、感染者数が減って宣言を終えたが、首都圏の感染者が急増すると再び増加した。一度収まっても、人の往来によって再拡大されることを示している。

 同じ轍(てつ)を踏んではなるまい。地方ではテレワークの導入も7都府県の3分の1にとどまる。まだ工夫できることはありそうだ。

 気になるのは、外出制限などによるストレスで社会全体が攻撃的になっていると思われる点だ。

 医療従事者や家族が出社や来校を拒否されるなどの事例が報告されている。他人を思いやる余裕がなくなっているのではないか。

 接触制限は長期化しそうだ。自治体も住民の困難に寄り添い、支えていく姿勢が欠かせない。