市内のコンビニで販売されたマスク(岩本製作所提供)

市内のコンビニで販売されたマスク(岩本製作所提供)

さんさん山城で販売している布製マスク(さんさん山城)

さんさん山城で販売している布製マスク(さんさん山城)

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、マスク需要が急増しているのを受け、京都府山城地域で新たにマスク製造に取り組む企業などが増え始めている。樹脂加工業者が自社の機器をマスク製造に活用したり、福祉作業所が新たに布マスクの製作を始めるなど動きはさまざまだが「困っている地域のためになりたい」と声をそろえる。

 京田辺市宮津の樹脂加工業、岩本製作所では、プリンターのリボンカセット製造機器を活用した使い捨てのマスク作りを4月中旬から開始。福祉作業所にも一部工程を委託し、一日約300枚を作っている。
 同市の商工会理事でもある岩本俊樹代表は、製作を始めた背景について「商工会の友人らと、この事態を乗り越えるためメード・イン京田辺で何かできないか話し合った結果」と語る。岩本さんがリボンカセット製造で使う「シーラー」でマスクを縫い付けられることに気付き、市内で布地を扱っている「ケンファッション」に相談した結果、不織布の提供を受けることになった。
 試作を繰り返し、1カ月ほどで量産体制を整えた。23日に初めて市内のコンビニで販売すると、250枚分が30分で売り切れる盛況ぶりだった。
 作られたマスク2千枚は京田辺市にも寄付され、上村崇市長も「ありがたい支援」と喜ぶ。岩本代表は「自社もテレワーク(在宅勤務)ができないものづくりの現場のため、マスク不足に悩んでいた。市内の困っている人に届けばうれしい」と話す。今後も日産500枚を目指し製作を続ける。
 京田辺市興戸の障害者就労支援事業所「さんさん山城」では、3月から布マスクの製作をスタート。口コミで評判が広がり、1日約40枚を売り上げている。
 さんさん山城の布マスクは大・中・小の3種類。ボランティアや知人から提供を受けた布を活用しているため、さまざまな柄を選べるのが特徴。裏地にガーゼを使うなど使用感にこだわっている。
 元々パッチワークの鞄やポーチなどを製作していたさんさん山城。スタッフが着用していた手製のマスクを欲しがる人がいたため、製作品をマスクに切り替えたところ人気が出た。現在は担当スタッフを増やして量産に当たっている。
 さんさん山城の新免修施設長によると、縫製スタッフには高級紳士服の製作に関わっていた施設利用者もおり、品質は高いという。「普段地域の方にお世話になっているので、こういう時に地域貢献したい」と語り、事態が終息するまではマスクの製作を続ける意欲を示した。