ホップの花言葉は「不公平」。受粉する前の雌株から取れる毬花(まりばな)だけがビールに使われ、雄株は必要とされないからだ▼収穫期は7~9月。冷涼な東北・北海道が主産地で京都府与謝野町では4年前に栽培を始めた。畑を訪れると5~10メートルほどにつるが伸びており、松かさに似た毬花を割ってみるとかんきつ系の強い香りがした▼大手メーカーの契約栽培の畑と違い「与謝野は全国初のフリーランスの産地」と日本ビアジャーナリスト協会の藤原ヒロユキ代表理事(61)。「1カ月半ほど早く収穫でき各地のクラフトビール醸造所にいち早く出荷できる」と強みを語る。自身も同町に移住し栽培を始めた一人だ▼地元では夏限定の缶ビールを販売したり、収穫体験ツアーを催したりと官民で盛り上げてきた。「京都産原料100%ビールプロジェクト」にも加わる。亀岡の大麦などを原料に使ったオール府内産地ビールの誕生も近い▼本場ドイツでは1516年に発布された「ビール純粋令」で大麦・ホップ・水以外は原料に使ってはならないと定められた。香りと苦みを加えるホップは歴史的にも重要な要素とされてきた▼ホップの花言葉はほかに「希望」「信じる心」。新規参入の与謝野ホップが全国の地ビールに香りの花を咲かせることができるか楽しみだ。