関連死を含め230人以上が亡くなった昨年7月の西日本豪雨で最初の大雨特別警報が出てから半年が過ぎた。

 被災地では復興に向けた懸命の取り組みが続いているが、今なお、多くの人が元の居住地を離れて暮らさざるを得ない状況にある。

 岡山、広島、愛媛3県で仮設住宅や公営住宅の「仮住まい」で生活する被災者が少なくとも約1万3500人に上るという。

 仮設住宅の入居期間は原則2年だ。資金面の不安から住宅の購入やリフォームができず、退去後の生活が見通せない人もいる。

 生活再建へ息の長い支援が求められるのではないか。

 仮住まいの被災者のうち、行政が民間賃貸住宅を借り上げるみなし仮設住宅への入居者が8割に上る。個別事情に応じ広さや設備を選ぶことができ、建設型より早く入居できるメリットがある。

 1995年の阪神大震災では仮設住宅のわずか0・3%だったが、東日本大震災で5割超、熊本地震では約8割を占めた。想定される南海トラフ巨大地震でも「みなし頼み」が現状だ。

 だが、地域住民が分散することによるコミュニティー分断の課題は残されたままである。

 被災者の見回りなど孤立化を防ぐ手立てが必要だが、現状確認が追いついていない自治体もある。悩ましいのは人手不足だ。

 熊本地震では、みなし仮設の高齢者ら21人が「孤独死」の状態で見つかった。悲劇を繰り返さないよう、マンパワーをいかに確保するかが改めて問われている。

 3県では、半年で計13人が災害関連死と認定された。80、90代が多いが、申請件数は判明分だけで30と倍以上あり、今後、大幅に増えることが予想される。

 認定されると、直接死と同様に災害弔慰金が遺族に支払われる。問題は統一基準がないことだ。

 県や市町は基準作りから実務を始めているという。災害対策が自治体任せになっている弊害といえるのではないか。地域によって不平等が生まれかねず、国は早急に基準を定めるべきだ。

 他にも課題は山積している。被災した自宅の2階などで暮らす「在宅避難者」の規模は不明だ。愛媛県西予市では、避難指示が出たままの地域もある。

 被災地の復興は緒に就いたばかりで、正念場はこれからだ。基礎自治体の努力だけでは限界がある。国の支援をはじめ、少しでも改善しながら進めたい。