冬の夜空は輝きを増す。1等星を結んでできる大三角やダイヤモンド。青や黄、オレンジ…、星座の彩りも豊かだ▼同じ空でも、月は孤高のイメージか。刃物のように鋭く、ぞくっとする美を宿す。<冬の月寂寞(せきばく)として高きかな>日野草城▼今年は米国のアポロ11号による人類初の月面着陸から50年。「大きな飛躍」(アームストロング船長)の一歩は、宇宙への関心を高めた。木星や土星、近年は火星探査も熱を帯びる。土星の衛星には生命が存在する可能性があるとか。かつて水があったとされる火星では、内部構造を調べて惑星の起源に迫る▼この本を読んだ後、星空を見上げた人も多いかもしれない。名作「星の王子さま」である。王子さまがキツネに教わる言葉「心で見なければ、よく見えてこない。大切なものは目には見えない」。訳者で京都大名誉教授の稲垣直樹さんは、これを子どもと大人の対比とみる▼心で本質を見る子どもと、目で表層の現象を見る大人。作者のサンテグジュペリは、経験を積んだ大人の方が優れているとの常識を逆転させ、「大人の価値観を批判する」と言う▼星や月を眺め、その先に広がる宇宙を思うと、自分の小ささを実感する。でも、日常の小さなことにこそ大事なものがある。この1年、どんな年にしましょうか。