飛沫感染から医師を守るために製作された箱型の装置(新潟市・新潟大医歯学総合病院)=紙谷准教授提供

飛沫感染から医師を守るために製作された箱型の装置(新潟市・新潟大医歯学総合病院)=紙谷准教授提供

 医療従事者への新型コロナウイルス感染が危ぶまれる中、京都に拠点を置く3人制バスケットボールのプロチームとスポンサー企業が連携し、飛沫(ひまつ)から顔を守る防護具の製作やマスクの寄贈に乗り出している。医療現場の安全確保は一刻を争うといい「医療崩壊を食い止めたい」としている。

 チームは創設3年目の「KYOTO BB」。紅谷裕司オーナー(40)が知人の看護師から「陽性か分からない救急患者を治療する医師が危険」と相談を受けたことがきっかけだった。協賛企業の一つでプラスチック加工を手がける横井製作所(京都府宇治市)に協力を求め、飛沫から医師を守る防護具の製作を始めた。
 京都大医学部付属病院(京都市左京区)や新潟大医歯学総合病院(新潟市)の医師らから助言を受け、安価で提供できる製品の試作を重ねた。完成したのはアクリル板を使った顔がすっぽり入る箱型と、ベッドの大きさなどに左右されずに使えるシールド型の2種類。いずれも気管挿管など治療の際に患者の顔を覆って使うという。
 新潟大大学院医歯学総合研究科麻酔科の紙谷義孝准教授(50)によると、救急の集中治療室で矢面に立つ呼吸器内科や麻酔科の医師の感染リスクが高く、海外ではそこから院内感染に至ったケースもあるという。教訓を生かし、海外の医師らがフェイスブックなどを通じて感染防止策を紹介しており、今回もそのアイデアが参考にされた。紙谷准教授は「資材が枯渇しかねない中、迅速に作って送っていただき、感謝している。医師らの安心感が全然違う」と話す。
 現在、大阪や静岡、和歌山など各地の医師から注文が寄せられているという。横井製作所の横井慎一社長(47)は「報道だけでは入ってこない医療の現状を知り、何か手助けしたかった」と賛同した思いを語る。
 チームは健康食品製造販売のサン・クロレラ(下京区)などスポンサーからマスクを募り、小児科や産婦人科、福祉施設などへの寄付も始めた。紅谷オーナーは「バスケットボールはできないが、やれることはやりたい」と支援活動を続ける。