京都市中央卸売市場(京都市下京区)

京都市中央卸売市場(京都市下京区)

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、京都市中央卸売市場(下京区)内の店舗で24日までに、新型コロナウイルスに1人が感染したことが確認された。京都府では、山崎製パン京都工場(宇治市)でも従業員2人が感染するなど、食品流通に関わる人の感染が相次いで判明した。専門家は「食品を介した感染のリスクは低い」として、冷静な対応を呼び掛けている。

 市によると、市中央卸売市場の店舗従業員は、19日に陽性が判明。同日に店舗が消毒された。感染した従業員は12日から休んでいたため、保健所の指導に基づき営業は続けている。濃厚接触者も1人だけで、すでに自宅待機している。

 同市場の古井幸生場長は「保健所の指示に従い、専門機関による徹底した消毒を行うなど万全の対策を講じており、食品の安全・安心に何ら問題ない」と説明する。厚生労働省や農林水産省も、食品を介した感染例は確認されておらず、消毒など適切な対応を取れば食品事業所が操業停止する必要はないとしている。

 食品やその包装などを介して、ウイルスに感染するリスクはどの程度あり、どう防げば良いのか。ウイルス学が専門の京都府立医科大の中屋隆明教授に聞いた。

 ―新型コロナウイルスは食品を介して感染するのか。

 「まず、新型コロナウイルスは、食中毒菌とは違い、野菜や果物、魚、肉などの食品上で増えることはない。仮に、感染者が触って食品にウイルスが付着していたとしても、食べる前によく洗えば十分に対応できる。肉や魚も加熱すれば感染力はなくなる。ノロウイルスのように怖がる必要は無い」

 ―食品包装を介した感染のリスクは。

 「ラップやトレーなどの包装に、感染者の飛沫によるウイルスが付着している場合は考えられる。これは、家庭にあるハイターやアルコールなどで、包装ごと消毒したり洗ったりすれば、ほぼ大丈夫だ。もちろん、購入した人も手洗いをすることが重要といえる」

 ―鳥や豚がウイルスに感染していることは。

 「新型コロナウイルスは人獣共通の感染症ではないので、この点は心配ない。もし生鮮食料品店などで感染者が出たとしても、店舗を消毒した上で、他に発症者がいなければ、営業を再開しても問題ないと考えられる」