悪天候や河川改修後の水流の変化により、休業が続く宇治川の鵜飼(京都府宇治市宇治)

悪天候や河川改修後の水流の変化により、休業が続く宇治川の鵜飼(京都府宇治市宇治)

 夏の風物詩「宇治川の鵜飼」(宇治市観光協会主催)の休業が続いている。悪天候だけでなく、河川改修後の水量の変化も影響しており、今シーズンはこれまでに営業できた日は約2割にとどまる。8月31日まで休業日は計49日間に達して、記録の残る1987年以降で最多を更新した。「大きな打撃だ」と関係者たちが頭を抱える中、河川を管理する国土交通省も対策に乗り出す方向だ。

 市観光協会によると、今季の鵜飼は7月1日~9月30日だが、これまで営業できたのは7月6~11日、8月7~13日の計13日間のみ。49日間の休業は、過去最多だった93年の47日間を上回る。屋形船を運行する宇治川観光通船によると、休業に伴う損失は2カ月で1千万円以上と見込み、さらに料理店や宿泊施設などにも影響が及ぶとしている。

 「昨年も台風や大雨で大変だったが、さらにひどい状況」と嘆くのは、ベテラン鵜匠の松坂善勝さん(81)。休業が相次ぐ要因として、天候以外に挙げるのが、河川改修の終了だ。国交省淀川河川事務所による工事中は、鵜飼が行われる宇治川の派川「塔の川」への水が鋼製の板などで抑えられていたが、事業が終わって仕切りが取り除かれたことで、塔の川に多くの水が流入するようになった。河床の掘削で流れも速くなったという。

 この影響で、昨年までなら鵜飼実施の基準となる上流の天ケ瀬ダムの放流量が毎秒200トンでも営業できたが、今季は50トンを超えると安全を考慮して舟を出せなくなった。

 市観光協会の多田重光専務理事は「『いつできるのか』との問い合わせは毎日数十件ある。荒天の時は理解してもらいやすいが、今季は晴れていても営業できないことが多くて心苦しい」と漏らす。

 こうした状況を受け、石を詰めた袋を沈めて流速を抑えるなどの対策を、同河川事務所は検討中だ。「地元からも要望は聞いている。周辺住民の理解も得て丁寧に進めたい」としている。