新型コロナウイルスの感染拡大で、学生が厳しい経済状況に置かれている。

 親の収入減やアルバイト先の休業などで、学費が払えないといった切実な声が上がっている。

 経済活動の自粛が長引けば、多くの学生が学業をあきらめざるを得なくなる可能性もある。

 専門家からは学費の延納や奨学金制度の拡充といった、学業を継続できる支えが必要だとの指摘が出ている。国や大学などは学生の困窮の実態把握を急ぎ、支援のあり方を検討する必要がある。

 学生団体「高等教育無償化プロジェクトFREE」が行ったインターネットでの調査によると、回答した大学生ら514人の6割がバイト収入が減ったり、なくなったりしていた。親の収入がなくなった、または減ったと答えた学生も4割に上った。

 調査に答えた学生の13人に1人が退学の検討を始めているといい、調査した団体は一律の授業料半額免除を国などに求めた。学費への不安は大きい。

 困窮する学生らの支援に向けては、文部科学省が低所得世帯向けに本年度から始めた修学支援制度の対象に、新型コロナで収入が大きく減った世帯の学生も加えた。世帯収入によっては、バイト収入が減った学生も支援対象になるとしている。

 一部の大学にも、独自に支援を決める動きが出ている。広島大などは、バイト収入の減少などで生計の維持が困難な学生に一定額を支給する制度を設けた。

 だが、学費自体の減免に踏み込む大学は少ない。

 政府や自治体の休校要請で、多くの大学がオンラインで授業を行うなどしている。大学側は施設や設備、教員体制を維持する費用も考慮して学費を決めているとの立場だ。しかし、学生は新学期が始まったのに通っておらず、大学の施設も使えていない。通常時との違いを踏まえ、学費の減免を検討することも必要ではないか。

 経済的な支援と併せ、心身の健康状態を確認するなど、学生生活全般を支える取り組みも欠かせないだろう。

 感染拡大による経済への打撃が次第に大きくなっている。来年春に卒業する学生たちは、就職活動に不安を募らせている。部活やサークル活動などの停止で孤立感を深めている学生もいる。

 先の見通せない状況で、学生が一人で悩みを抱え込むことがないよう、手だてを講じてほしい。