NHKから譲り受けた穴窯のセット。既に展示の準備を整えたが、開催のめどは立っていない(甲賀市信楽町・信楽伝統産業会館)

NHKから譲り受けた穴窯のセット。既に展示の準備を整えたが、開催のめどは立っていない(甲賀市信楽町・信楽伝統産業会館)

 放映終了したNHK連続ドラマ小説「スカーレット」の舞台となった滋賀県甲賀市が、新型コロナウイルスの感染拡大で、番組の「遺産」を活用できず、苦慮している。4月下旬から予定していた関連企画展の開催は先が見通せず、市内でのロケも全て延期になった。千載一遇の機会にアピールできず、市は「ドラマの記憶が薄れないうちに終息してほしい」と願っている。

 市は、ドラマで使われた穴窯のセットや小物、衣装などを譲り受ける予定で、信楽高原鉄道の主催で企画展を計画。既に市信楽伝統産業会館で一部展示用意を終えていた。28日の同会館の新築移転に伴い開催するはずだったが、新型コロナ感染拡大で宙に浮いた状態だ。
 朝ドラ効果は大きく、昨年12月下旬に始まった「スカーレット」展は、新型コロナの影響で中止した2月末までの2カ月余りで3万8千人以上を集め、陶器販売にも貢献したという。例年、冬季に落ち込む観光需要を掘り起こしただけに、今月1日の定例会見で岩永裕貴市長は「ぽっかり穴が開いたよう」と残念がった。
 さらに、民放から市に教育番組やドラマ、バラエティーでのロケの申し出が相次いでいたが、スタッフの感染防止のため全てが延期に。市は「スカーレットのテーマである信楽焼だけでなく、甲賀忍者などを持ち出すと関心を示してもらえたのだが」と悔しがる。
 市は終息後を見据え、準備を進めており、「終息後には企画展だけでなく、撮影場所を巡るロケツーリズムを行うなど『朝ドラ効果』を生かす取り組みをしたい」としている。