大塚オーミ陶業が陶板で精巧に複製した風神雷神図屏風(京都市左京区・国立京都国際会館)

大塚オーミ陶業が陶板で精巧に複製した風神雷神図屏風(京都市左京区・国立京都国際会館)

 国際博物館会議(ICOM)京都大会の関連イベントで、企業などが出展する「ミュージアム・フェア」が2日、国立京都国際会館(京都市左京区)で始まった。京都と滋賀のメーカーも美術品の正確な計測分析や本物そっくりのレプリカ作りなど得意技術を売り込んだ。

 ICOMは約140の国・地域の博物館や美術館の専門家が加入し、3年ごとに大会を開いている。同フェアには国内外の大手・中小企業が数多く参加し、文化財の保存・活用、鑑定につながる技術を紹介した。

 堀場製作所は、エックス線を照射して元素の種類などを分析する装置を展示し、絵画に使われた顔料の成分を測定する様子を実演した。10マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の微小な対象物を壊さず計測でき、制作年代や地域の特定のほか、補修の方法を選ぶ指標にもなるという。

 堀場製は蛍光エックス線分析装置やラマン分光光度計などグループの主力製品を用い、すでに「モナ・リザ」など世界的な名画を分析。ゴッホの絵画を調べるプロジェクトも進行中で、「文化財を科学的にはかることで、価値を可視化できる」と強調する。

 印刷を祖業とするNISSHAは、B2判の特大本を展示した。本は現代美術家の藤本由紀夫さんが「サイレンス(沈黙)」をテーマに創作し、写真やメッセージの作品を300ページにわたって高精細に印刷した。

 文化財を寸分たがわず立体複製する技術で歴史的作品をブースで再現したのは、大塚オーミ陶業(大阪市)。甲賀市信楽町の拠点に本社機能があり、3D計測や印刷、焼成の技術を駆使して作品の手触りや重さまで忠実に再現する。建仁寺所蔵の俵屋宗達「風神雷神図屏風(びょうぶ)」(国宝)の精巧なレプリカも並び、注目を集めた。

 ベンチャー企業も存在感を示した。2017年設立の立体計測サービス会社「KYOTO’S 3D STUDIO」(京都市左京区)は、10マイクロメートル以下の精度で文化財を正確に測定するスキャン技術を実演。計測データのVR(仮想現実)化などを提案した。