自身が設計した美術館や博物館の理念について話す隈氏(2日午前11時20分、京都市左京区・国立京都国際会館)

自身が設計した美術館や博物館の理念について話す隈氏(2日午前11時20分、京都市左京区・国立京都国際会館)

 世界の博物館や美術館の専門家が集う「国際博物館会議(ICOM)」京都大会の関係会合が2日、京都市左京区の国立京都国際会館をメイン会場に始まった。国内では初めての開催で、テーマは「文化をつなぐミュージアム」。和の意匠や木材を生かして文化施設の設計に取り組む建築家の隈研吾氏が「森の時代」と題して基調講演した。

 隈氏は博物館について、芸術作品や貴重資料の展示だけでなく、市民の交流、教育や地域経済の活性化に役立てられることが重要と強調。「森のように開かれ、温かくて優しいものになるといいな、との思いでミュージアムを設計している」と思いを語った。

 スライドで自らが携わった国内外のプロジェクトを紹介。地元の木材を使ったり職人と協力したりして、文化交流や技術の継承を促し、自然や環境とも調和するよう心掛けていると強調した。

 実際、デザインに関わった東京五輪・パラリンピック主会場の新国立競技場(東京都)でも、47都道府県産のスギを使っていると述べ、「木の色は産地によって違い、日本の多様性を世界に知ってもらう機会になる」と期待を語った。大会後も市民に親しまれる工夫を施したといい、「スポーツ施設もミュージアムも根本は同じ。地域の文化や自然資源とつながっていることが、ミュージアムが社会的役割を果たす上で重要になるのではないか」と提言した。

 基調講演に先立つ開会式では、ICOMのスアイ・アクソイ会長が「気候変動などに伴う持続可能性が常に課題として出てくる。子孫のための保護や、社会的な役割を果たすことにも注目されている。ミュージアムの活動を改善する取り組みを進めたい」と抱負を述べた。ご臨席した秋篠宮さまは「大会で世界各地の博物館や博物館学が発展することを祈念したい」とあいさつした。

 ICOMは約140の国と地域の専門家が加入し、大会を3年ごとに開いている。京都大会が25回目で、過去最多の4100人以上の参加を見込む。7日まで会合を開き、ICOM規約で定める博物館定義の大幅改正に道筋を付けるなど将来像を討議する。