重要文化財の太刀「薄緑(膝丸)」

重要文化財の太刀「薄緑(膝丸)」

膝丸が納められている刀箱。大覚寺が所蔵する別の刀のために作られた箱だと分かった(大覚寺提供)

膝丸が納められている刀箱。大覚寺が所蔵する別の刀のために作られた箱だと分かった(大覚寺提供)

 京都市右京区の大覚寺所蔵の太刀「薄緑(膝丸)」(重要文化財)を納める刀箱が本来は別の刀のために作られた箱であることが分かった。寺では、膝丸のための箱を作ろうと、「結縁プロジェクト」に取り組んでいる。浄財を元に膝丸にぴったりの刀箱を新たに作り、鎌倉時代からの寺宝を次代に伝えてゆく。

 膝丸は、北野天満宮所蔵の「髭切」と同様に源氏の重宝とされ、現在は京都国立博物館に寄託されている。一昨年に同博物館で行われた特別展を機にあらためて調査したところ、菊と桐(きり)の飾り金具がついた長さ約160センチの刀箱は、寺に伝わる別の刀のために作られた箱であることが分かった。
 膝丸は第2次世界大戦終了後に連合国軍総司令部(GHQ)に接収されたため、白木づくりの鞘(さや)の部分には英文で書かれた貼り紙がそのまま残る。経年劣化で鞘の合わせ目も割れてきているため、刀箱や「鎺(はばき)」と呼ばれる部品と合わせて新調することを決めた。
 新たな箱は漆塗りの外箱と桐材の内箱の二重箱となる。内箱には膝丸を収める新しい鞘とGHQの貼り紙が残る古い鞘、「薄緑太刀伝来記」や寄進者の名前を記した「巻子(かんす)」を収納する予定で、外箱は現在の倍以上の大きさになるという。寺では新調にかかる費用を有志から浄財を募る「勧進」によって計画を進めようとプロジェクトを立ち上げた。
 150人限定で募った3万円の勧進は、内箱に寄進者の名前を記す内容で、募集開始日に定員に達した。現在は、巻子に名前を記す3千円の勧進を募っており、5月11日締め切り。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、申込者への払込用紙送付を休止しており、発送は5月7日以降になる見込み。
 寺では「刀を未来に残すプロジェクトを通して多くの人が仏縁を結ぶ機会になればありがたい」としている。「大覚寺 結縁プロジェクト」で検索すると申し込みホームページが見つかる。