京都市立芸術大学(左)と「京都芸術大学」への名称変更を決めた京都造形芸術大(右)

京都市立芸術大学(左)と「京都芸術大学」への名称変更を決めた京都造形芸術大(右)

 大学の名称を巡る対立は、異例の訴訟に発展した。「京都芸術大学」への変更を国に届け出た京都造形芸術大(京都市左京区)に対して、「混乱を招く」と反発していた京都市立芸術大(西京区)が、京都造形芸大を運営する学校法人瓜生山学園(左京区)を相手取り提訴した。水面下でのやり取りが続いた7月以降、両大学が相次いで校名の商標登録を出願するなど対立は深まるばかり。主張は平行線をたどっている。

 7月9日。中京区の市役所に京都造形芸大の尾池和夫学長が訪れ、名称変更の方針を告げた。

市立芸大は独立した法人が運営しており、市は設置者の立場にある。門川大作市長は見直しを求めたが、手続きは文部科学省への届け出を残すのみで、市幹部は「市としては既に道がふさがれた状態だった」と振り返る。京都造形芸大の関係者は「対話は続けるつもりだった」という。

 文科省によると、大学の名称変更は、予定する前年度の4~12月に変更理由や時期などを届け出る必要がある。審査が必要な許可制ではなく、名称が教育内容にふさわしければ即日受理される場合もあるという。担当者は「学校の名称が類似するケースは全国でよくあるが、当事者間で調整されるべき問題」と話す。

 市立芸大は7月11日に「京都市立芸術大学」「京都芸大」「京芸」のほか、英語表記の「Kyoto City University of Arts」の4表記の商標登録を特許庁に出願した。瓜生山学園が7月17日に「京都芸術大学」を出願すると、市立芸大も翌18日に同じ名称を出願した。

 特許庁によると、出願の結果が出るまでは1年程度かかるのが通例。

 商標登録で同一の名称が出願された場合、1日でも早い方が優先されるのが原則だ。ただ、審査では、変更する名称が他の事業やサービスを指すと広く認識されている場合、認められない可能性があるという。

 京都造形芸大はコメントで「法的にも一切問題はない」とし、全面対決の構えだ。略称については、学校法人の名称から取った「瓜芸(うりげい)」「KUA」を使い、「京芸」「京都芸大」は使用しないとしている。

 学生はこの事態をどう見ているのか。

市立芸大大学院1年の女子学生(22)は「造形芸大の名前は既に知られているのになぜ変えるのか」と話し、京都造形芸大2年の女子学生(19)は「造形芸大の名前に誇りがあり、そのままがいい。瓜生山の名前はあまり知られていない」と首をかしげた。

 京都造形芸大は今月8日と12日に、学生の意見を聞く会を開くという。