国に対して初めて、勧告らしい勧告となるのではないか。

 大阪府泉佐野市が、ふるさと納税新制度への参加を国から除外された件について、第三者機関「国地方係争処理委員会」(委員長・富越和厚元東京高裁長官)は、除外を再検討するよう、所管の総務相に勧告することを決めた。

 総務省側の「敗訴」に等しい判断となった。総務相の任命した第三者が下したのだから、受け入れるのは当然だ。

 同省は、今年6月に新制度を始める前、過度な返礼品競争をしているとして、泉佐野市など4市町の参加を除外した。

 その基準は、旧制度で運営される昨年11月以降に、出身地などを豊かにしたいというふるさと納税の趣旨に沿って、寄付を集めていたかどうか、であった。

 委員会は「新制度の目的は過去の行為を罰するものではない」と指摘し、市側の主張を認め、除外は不当だとした。

 じゃんけんの「後出し」にも似た強引なやり方を戒めたもので、勧告は妥当といえよう。

 国地方係争処理委員会は、自治体の行政運営に影響を及ぼす国の決定などがあった場合、自治体の申し出を受けて、その是非を審査する機関である。

 国の対応が不当であると判断すれば、必要な措置を関係省庁に勧告する。国と地方の関係を、「上下」から「対等」に転換した地方自治法改正に伴い、2000年に設置された。

 それから20年近くが経過しようとしているが、結論を出したのは今回を除いて6件しかない。

 このうち、対応の見直しを国に勧告したのは、横浜市が場外馬券場の売り上げに新税を課そうとしたとき、国が同意しなかった件だけである。内容も、話し合いが不十分だとして、総務省に同市との協議を再開するよう求める穏便なものだった。

 これでは、委員会が十全に機能してきた、とはいえない。自治体側も国に不服があるのなら、もっと活用した方がよいだろう。

 ただ、今回の勧告で委員会は、インターネット通販のギフト券などを贈ることで多額のふるさと納税を得た泉佐野市を、「制度の存続が危ぶまれる状況を招き、是正が求められる」と批判した。これには留意しておきたい。

 総務省は、本来の趣旨から離れて、節税などに利用されかねないふるさと納税の見直しについては、適切な手法で続けるべきだ。