幼児と長時間自宅で過ごす際の保護者の心掛けについて語る朱さん(京都市山科区・山科醍醐こどものひろば)

幼児と長時間自宅で過ごす際の保護者の心掛けについて語る朱さん(京都市山科区・山科醍醐こどものひろば)

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う保育園への登園自粛などで、子どもと自宅で過ごす保護者が多くなっている。長時間一緒にいると、イライラしてしまうことも。京都府宇治市の市民団体「子育ての文化研究所」代表の朱まり子さん(67)に、3歳と2カ月の娘がいる男性記者(36)が幼児と仲良く過ごすこつを聞いた。

■家での遊び 「工夫」の余地を

 ―長女の保育園から登園自粛を依頼され、自宅で仕事しながら1人で子どもを見る機会がありました。でも「パパ遊ぼう」とせがまれた時、「静かにして」と怒ってしまって…。
 「仕事と子育てを同時に行うのは無理があります。仕事には集中しないといけませんが、親のそばで子どもをじっとさせるのは好ましくない。また、上の空で相手すると子どもは『私のこと見てないな』と不満を感じます。在宅勤務で子どもを見るには『大人が2人以上いて、誰かが働く間に別の人が相手できること』が最低条件。家族で調整すると良いでしょう。それでも無理なら保育園に相談するなどしてください」
 ―言うことを聞かなかったり走り回られたりと、イライラすることも増えました。どうすればいいのでしょう。
 「自宅でも安全が確保できることが前提ですが『タイムするね』と子どもに声を掛けてその場を離れ、お茶を飲むなどしましょう。イライラする自分から『離れ、落ち着く』ため、別の何かをするのが大事です」
 ―イライラを減らすための工夫があれば。
 「よくお母さんたちから『時間割を組むと何とかやっていける』という話を聞きます。起床、就寝、三度の食事の『守るべき枠』が決まれば、ダラダラとテレビやゲームを続けることも少なくなるでしょう。読書や遊びなど時間割を決める際は親子で話し合い、子どもに決定権を持たせてください。細かく決めてこなせないとストレスになるので、大まかな時間割で大丈夫です」
 ―最近遊びの内容がマンネリ化しています。
 「大人が『楽しいはず』と思うことと子どもが『楽しい』と感じることは違います。新しいおもちゃや奇想天外な遊びでなくても、家にある物で楽しめます。大事なのは子どもが『工夫』する余地があること。例えば新聞紙。風船を作ったりガムテープで何枚もつなげてふわふわ動かしたりして遊んだ後に破れたら丸めてボールにするなどいくらでも遊べます」
 ―子どもが遊びながらもたついたりしていると、じれったくなります。
 「大人はつい『こうしたら?』と答えを与えがちですが、子どもが自分で考え新しい発見をするのを見守ってください。同じことをしていても『昨日』と『今日』の変化を楽しむのが遊びです。でも室内で遊ぶなら、激しすぎる動きにならないよう大人が気配りを。例えば新聞紙を棒状に丸めて『剣』にすると、子ども同士のけんかや物の破損につながりかねません」
 ―うまくできるでしょうか。
 「『魔法のつえ』はありません。『親が何かしてあげないと』と悩む必要もありません。もちろんネグレクトはいけないし、子どもは守るべき相手。でも一人の人格であり、親とは別の存在です。まずは『一緒にこの事態を乗り切ろうとしている仲間』と一歩引いて考えるといいでしょう」