京都地裁

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 京都朝鮮第一初級学校(京都市南区、閉校)に対する差別的な発言を繰り返し社会的評価をおとしめたとして、名誉毀損(きそん)罪に問われた「在日特権を許さない市民の会(在特会)」元幹部の男(50)=右京区=の初公判が4日、京都地裁(柴山智裁判長)で開かれた。被告の男は「特定の朝鮮学校に対するものではなく在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)に対する抗議で、嫌がらせ目的ではない」などとして無罪を主張した。

 起訴状によると、2017年4月23日夕、同校跡地近くの公園で、拡声器を用いて「ここに日本人を拉致した朝鮮学校があった」などと発言し、その様子をインターネットで動画配信し、同校を運営していた学校法人京都朝鮮学園の名誉を傷つけたとしている。

 検察側は冒頭陳述で、被告の男が08年頃から数年間、在特会のメンバーとして活動し、同校に対して差別的な言動を繰り返していたと指摘。一方、弁護側は、発言は拉致問題の真相を明らかにするためで「朝鮮総連への正当な批判であって公益性がある」と訴えた。

 被告人質問で、被告の男は「日本の尊厳を守るための活動だ」と強調。09年にも同校に対して差別をあおるヘイトスピーチ(憎悪表現)を行い、威力業務妨害や侮辱罪で有罪判決を受けたことについては「正当な行為で何の反省もない」とした。

 事件を巡っては、京都朝鮮学園側が17年に告訴し、京都地検が18年4月に被告を在宅起訴した。学園側の弁護士によると、ヘイトスピーチを巡り、侮辱罪より刑罰が重い名誉毀損罪で公判請求されたのは全国初という。

 同学園の柴松枝(シソンジ)理事(77)は公判後の会見で「被告人から反省の態度は見られず、この先も不安の中で学校生活を送らなければならない子どもたちのことを思うと、本当に腹立たしいし悔しい」と語った。