高校スポーツの晴れ舞台ともいえる今夏の高校総体(インターハイ)が、史上初めて中止されることになった。新型コロナウイルス感染拡大の影響である。

 全国高等学校体育連盟は、競技中だけでなく移動や宿泊時の感染リスクもあり、生徒らの安全を最優先して判断したとしている。

 部活動に励む多くの生徒から悔しさのにじむ声が出ている。監督ら指導者の思いも複雑だろう。

 ただ、新型コロナの感染拡大の状況は予断を許さない。学校の休校を5月末まで延長すると決めた自治体も少なくない。

 部活動の再開は難しいのが現状だ。準備や練習が不足したまま競技に臨めば、不測の事故やけがにもつながりかねない。中止はやむを得ない判断といえる。

 3年生にとっては最後の活躍の場が失われることになるが、中止に至った経緯を冷静に受けとめ、自分なりの新たな目標を見つけてほしい。学校や指導者には、生徒らへの適切な助言を求めたい。

 高校スポーツでは、すでに春の全国大会が軒並み中止となっている。夏のインターハイを巡っても一部で延期論が浮上したという。

 しかし、感染症の専門家から、過去のパンデミック(世界的大流行)を例に第2、3波が襲来する可能性を指摘され、最終的に中止の判断に傾いたようだ。

 ウイルスの特徴をふまえれば、来年以降も同様の判断を迫られる公算は大きい。その際にどう対応するのか。全国規模の大会の在り方も含めた検討が必要となろう。

 インターハイの出場結果は大学のスポーツ推薦の選考に使われるケースも多く、中止決定は進学を目指す生徒に大きく影響する。

 全国高体連は、3年生だけの大会などの実施に向けた検討を各都道府県高体連に要望した。進学の資料作りの意味合いだけでなく、部活動の集大成の舞台を提供することにもなろう。安全な状況となるのを前提に、実現を望みたい。

 忘れてならないのは、部活動を行う意味だ。試合に勝つことが至上の目標なら、中止は大きな喪失感となろう。一方で、「インターハイがすべてではない」とする指導者もおり、とらえ方は多様だ。

 部活動は学習指導要領で「学校教育の一環」と位置づけられる。その練習の成果を発表する場はどうあるべきか、幅広く議論する機会にしてはどうだろう。

 高体連に加盟していない野球や文化系クラブにも共通する問題である。みんなで考えたい。