事業者向けの緊急相談会。福知山市や商工団体の職員が支援策や融資などを説明した(同市駅前町・市民交流プラザふくちやま)

事業者向けの緊急相談会。福知山市や商工団体の職員が支援策や融資などを説明した(同市駅前町・市民交流プラザふくちやま)

 新型コロナウイルスの感染拡大が京都府北部の経済に暗い影を落としている。終息が見通せない中、本格的な影響が出るのはこれからで、リーマンショック級の不況が訪れるとの予測もある。府内では感染者が少ない地域だが、高齢化や人口減少が進む中、地域の活力がさらに失われないか心配だ。国や自治体は現場の実情に合った分かりやすい支援策を講じてほしい。

 16日に福知山市内で事業者向けに開かれた支援策や融資などに関する緊急相談会。経営者らは苦境にあえいでいた。喫茶レストランの店主は1月の売り上げが昨年と比べて2割減り、2、3月は半分以下になったという。国の支援制度は分かりにくいと指摘し、「安倍首相や麻生財務相は金に困ったことがないから痛みや苦しみが分からない」と憤った。経営は厳しいものの、店は高齢者が集まって話すなど憩いの場になっているといい、「地域には私のような店が必要。何とか続けていきたい」と声を絞り出した。

 福知山にとって今年は全国にアピールできるチャンスだった。福知山ゆかりの戦国武将・明智光秀が主人公のNHK大河ドラマが放映されているからだ。昨年10月に赴任して以来、行政や市民団体の関連イベントや取り組みを多く取材し、町ぐるみで盛り上げようとする雰囲気を感じた。大河効果は表れ、福知山城の2019年度の年度入館者は開館以来初めて10万人を突破した。取材相手と話す中では「フィーバーが終われば、ガクンと観光客が落ち込む」と「大河後」を心配する声をよく聞いてはいたが、新型コロナで状況は一変した。

 厳しさは数値に表れ出した。京都産業21がまとめた府北部地域の機械金属関係企業の景況動向調査によると、回答した133社で「非常に良い」「良い」とした企業から「非常に悪い」「悪い」とした企業の割合を引いた業況判断指数(DI)は、1~3月期がマイナス41・1だった。4~6月期の見通しは61・5と、大幅な悪化を予測している。採算状況を見ても黒字の企業が減り、赤字が増えている。担当者は「今後はリーマンショック並に悪くなることも予想される」と指摘する。

 影響は雇用にも及ぶ。ハローワーク福知山の調査では、管内の福知山市、綾部市の3月の有効求人数は2773人で前年同月比で17・1%減った。特に製造業が落ち込み、派遣の求人も減っているという。京都府内全体では8・5%減だったことを考えると管内で影響が大きいことがうかがえる。

 福知山では6月7日告示、14日投開票で市長選が行われる。新型コロナ対策や影響を受けた町の活性化も大きな争点になるだろう。国や府の施策に加えて、市としての対応も問われる。各候補の主張をしっかりと見て、市民に伝えていきたい。