西日本豪雨で住民らが避難した福知山市内の避難所。新型コロナウイルスの感染拡大で、市は対策を急いでいる(2018年7月)

西日本豪雨で住民らが避難した福知山市内の避難所。新型コロナウイルスの感染拡大で、市は対策を急いでいる(2018年7月)

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、過去に多くの水害に見舞われてきた京都府北部の自治体が避難所運営に関する対策を急いで進めている。一度に多くの人が訪れると感染リスクが高まる密閉、密集、密接の「三つの密」が起こる可能性があり、感染者が出ればまん延する恐れもあるためだ。出水期や台風シーズンが来る前に住民らへの周知やマニュアルの変更をする方針。

 福知山市では、一次広域避難所は小中学校の体育館やコミュニティーセンターなど市内に49カ所あり、災害時に市が開設する。2018年の西日本豪雨の際は39カ所に最大943人が避難した。最も多かった南陵中には一時、190人が身を寄せた。市は「密集や密接状態だったと言える。市街地の避難所には人が多く集まる傾向にある」と分析する。高齢者も多いといい、感染すれば重症化が懸念される。
 感染予防対策として、市は避難所での受付時に体温をチェックし、発熱者はほかの避難者とは離れて過ごしてもらい、保健所などと連携し対応する。避難者同士の間隔を空けるほか、消毒や換気も徹底する。マスクや体温計の持参もお願いする。避難者を分散させるため、地域住民が開設する地区避難所の積極的な活用を呼び掛け、危険が迫る前に親類の家やショッピングモールなどに避難してもらうことも周知していく。
 市はそれらの内容を5月に自治会長を通じて住民に知らせるほか、広報誌でも訴えていくという。
 市が懸念するのは感染を恐れて避難をためらうケースだ。市危機管理室は「本来、水害を避けることが最優先。避難所での感染が心配な人もいると思うので、避難場所の分散や避難所での衛生管理に万全の準備をしたい」としている。

 綾部市では避難所の増加や定数の見直し、避難者の検温といった対策を検討している。遅くとも5月中には市の避難所運営に関するマニュアルを改定か刷新する方針。舞鶴市でも避難住民を分散させるための方策や消毒液の手配などの準備を進めている。