【資料写真】PCR検査の検体採取キットを手にする医師(京都市中京区)

【資料写真】PCR検査の検体採取キットを手にする医師(京都市中京区)

 京都市内の産科がある病院などで、出産の近い妊婦すべてに新型コロナウイルスの感染を調べるPCR検査を実施する動きが広がっている。妊婦や新生児に加え、医療者を守って医療崩壊を防ぐ狙い。民間では各病院が連携しPCR検査の体制を整備するケースがあり、関係者からはさらなる広がりを期待する声も出ている。 

 全妊婦へのPCR検査を行う方針を示しているのは足立病院(中京区)や中部産婦人科医院(伏見区)、京都大医学部付属病院(左京区)、京都府立医科大付属病院(上京区)など。

 現在、多くの病院で緊急性の低い手術の実施は控えているが、出産時期については遅らせることができない。しかし出産時は医師や助産師らが分娩(ぶんべん)室に入って対応に当たるため、出産後に妊婦の感染が判明すると医療者が自宅待機する必要が出てくる。医療崩壊を防ぐためにも、妊婦の感染を出産前に把握して対策を講じることが不可欠という。

 妊婦全員へのPCR検査について京大、府立医大の両病院は独自に行うが、ほかの病院でもPCR検査を足立病院の敷地内で集約して検査できる体制を整えている。同病院の畑山博理事長は「以前から分娩体制はぎりぎりの状態だったので、少しのほころびで崩壊に至る可能性がある。多くの病院でPCR検査の取り組みが広がってほしい」と話す。

 PCR検査で陽性が出た場合は、感染防護のできる適切な病院で出産してもらう。陽性の妊婦の出産を受け入れる方針を示している府立医大産婦人科学教室の北脇城教授は「PCR検査の拡大と陽性妊婦の受け入れ体制の構築はセット。可能ならばほかの病院でも、陽性の妊婦が分娩できる体制を整えてもらいたい」とする。またPCR検査の公費負担などの仕組みの必要性も指摘する。