植物の茎や幹、根などが太く成長するように働くタンパク質とそれを作る遺伝子を、奈良先端科学技術大学院大(奈良県生駒市)、ヘルシンキ大(フィンランド)、ケンブリッジ大(英国)などの国際チームが世界で初めて発見した。イモなどの作物増収への応用も期待できるという。英科学誌ネイチャー電子版で9日に発表した。

 植物の成長には、上や下に伸びる「先端成長」と、茎などが横に広がる「側方成長」がある。側方成長は、内部の「形成層」と呼ばれる場所などで活発に細胞分裂が行われて太るが、その仕組みは不明だった。

 グループは、組織内部を立体的に観察できる共焦点レーザー顕微鏡でシロイロナズナの若い根を詳細に調べた。栄養分を運ぶ「師管」になる細胞と隣接する細胞が盛んに分裂しており、この場所だけで働いている遺伝子と、その遺伝子が作るタンパク質PEARを突き止めた。

 PEARの働きを調べたところ、細胞分裂を促進するともに、分裂する細胞としない細胞を位置的に仕分けしていることも分かった。

 チームの奈良先端大の助教、宮島俊介さんは「PEARは他の遺伝子の働きを調整する因子。どのような遺伝子に働き掛けているのかを調べ、太るメカニズムの全容を明らかにしたい」と話している。