沖島で捕獲されたイノシシ(滋賀県近江八幡市沖島町=読者提供)

沖島で捕獲されたイノシシ(滋賀県近江八幡市沖島町=読者提供)

 イノシシによる農作物被害が問題となっている琵琶湖に浮かぶ沖島(滋賀県近江八幡市)で、年末年始にイノシシの成獣2頭が相次いで捕獲された。昨年におりとわなを設置して以降、捕獲は初めて。複数の幼獣「うり坊」も目撃されており、生活を守ろうと奮闘する島民と今年の「えと」との攻防はまだまだ続きそうだ。

 沖島には対岸から1キロ以上を泳いで渡るイノシシのほか、既に定着した個体もいるとみられる。

 畑の農作物は漁業と並んで自給に欠かせないが、数年前からタケノコやイモが食い荒らされ、ホウレンソウも踏みつぶされるなど被害は拡大し、高齢化が進む島の人々は困り果てている。

 昨年5月に自治会がおり4基を設置、猟友会も7月にくくりわなを2カ所に仕掛けた。12月31日に体重約30キロの雌がわなに掛かり、1月5日には体重約20キロの雄がおりに入り、いずれも猟友会が処理した。

 しかし、その後も畑は掘り起こされている。今回捕獲した2頭よりもはるかに大きな足跡が確認され、6頭ほどのうり坊が連れ立って歩く姿も赤外線カメラに写っていたことから、島民は畑を漁網で囲むのをやめて、電気柵に替えるなど自衛に追われている。

 沖島漁協の奥村繁組合長(71)は「待ちに待った捕獲だが、まだまだ安心できる状態ではない。自分のえとでもあるイノシシが悪さをしており肩身が狭い」と話す。

 沖島出身で大中猟友会の奥村輝夫会長(61)=同市大中町=は「島で暮らしたいと思う人たちがこれからも暮らし続けられるように、わなの設置数を増やしたい」と表情を引き締める。