日本電産の業績推移

日本電産の業績推移

 日本電産が30日発表した2020年3月期連結決算(国際会計基準)は、本業のもうけを示す営業利益が前期比14・6%減の1103億円だった。主力の車載部品や産業用モーターが低迷し、電気自動車(EV)向けの先行投資もかさんだ。新型コロナウイルスの影響について永守重信会長は「少なくとも1年以上続く」と予想しつつ、徹底したコスト削減で21年3月期に利益を回復させるとした。

 売上高は4・0%増の1兆5348億円と過去最高を更新した。昨年買収した冷蔵庫部品のエンブラコ(ブラジル)と、オムロンの車載事業子会社で1300億円以上を上積みしたが、米中貿易摩擦を背景に産業機器向けや自動車用の部品が欧州や中国で失速した。
 一方、EV駆動用の基幹モーターは26年3月までの受注が今年1月時点から600万台増えて1600万台に拡大。20年3月期から量産や開発に向けた投資を加速したこともあり、税引前利益は17・6%減の1069億円に。エンブラコ買収に絡んで迫られた事業売却の損失計上も響き、純利益は45・4%減の600億円だった。
 足元では新型コロナに伴う都市封鎖で欧米や東南アジアの工場の操業は通常時の6~7割という。ただ、永守会長は同日のウェブ会見で「ピンチだが大きなチャンス。人命を最優先に、売り上げが半減しても利益を出せるようにする」と強調。関潤社長と役割分担して素早く決断する「トップダウン経営」への回帰を宣言し、人事評価も厳格に実績をみる制度に大きく変えた。
 21年3月期は売上高が2・3%減の1兆5千億円と減収を予想するが、純利益は66・4%増の1千億円と大幅増益を見通す。株式分割後の年配当も1株60円と実質増配の予定。
 永守会長は「コロナの影響は3年ほど続く」と見通した上で、「影響が長引くほど競争力のある企業が生き残る。過去2年の失敗を反省し、成長神話を取り戻す」と語った。