京都府の新型コロナウイルス対策について語る西脇知事(京都市上京区・府庁)

京都府の新型コロナウイルス対策について語る西脇知事(京都市上京区・府庁)

 -京都府内の現状をどう捉えているか。
 「府内の感染者は300人を超えている。最近は感染者が少ないように見えるが、一定数の感染経路不明者がいる。その背後には分かっていないクラスターの存在があり、予断を許さない」
 「人の流れは感染拡大前と直近の比較で、例えば京都駅周辺だと休日は78%減、平日は69%減だ。全国に緊急事態宣言が拡大された効果が大きく、府外からの移動は減っている。ただ、政府が言う人と人との接触を8割減らすというところには、まだ達していない」


 -新型コロナウイルス対策で重要なのは。
 「重症者の命を救うことが重要で、医療崩壊を防ぐための体制を整えている。府内の入院対象者は100人ほど(4月30日正午現在)だが、感染者専用の病床は全体で250床あり、さらに400床まで増やす。病床は十分に確保できている。府内で人工呼吸器は445台、人工心肺装置『ECMO(エクモ)』は37台あり、流行のピークでも重症者の医療機器が足りなくなることはない。医療従事者に対しては現場の声を聞き、特殊勤務手当の支給助成などに取り組んでいる」
 -事業者に休業要請をした。補償についてどのように考えているか。
 「補償と休業要請はセットだと全国知事会でも主張している。営業禁止など厳しい措置を取るのであれば、当然に補償はすべきだ。しかし、新型コロナウイルス特措法はあくまで要請であり、少し制度設計に無理があるのかなと思う」
 -休業要請に応じた中小企業などに府独自で10万~20万円の支援給付金を出すが、金額が少ないのでは。
 「財源との関係があって心苦しいが、給付金は補償ではなく感染拡大防止に協力してくれたという意味での支援だ。また、京都市を除く市町村が(同額を)上乗せしてくれるし、大阪府などのような減収要件もない。早く届けることに主眼をおいたので、ご理解をいただきたい」
 -経済の減退が懸念されている。
 「国や府の制度を総動員して経済と雇用を守り抜く。的確な支援策につなげるため中小企業緊急経営支援コールセンターを設置する。そこがまさに地方自治体の仕事だと考えている」
 -政府の今回の対応をどのように考えているか。
 「新型コロナ対策は都道府県にかなりの仕事がある。それであれば、量も質も含めて国が財政的な裏打ちをして、心配なく対応をとれるようにしてほしい」
 「私は国土交通省で東日本大震災などを経験したが、自然災害は発生からしばらくの期間の被害が大きく、その後復旧する過程をたどるが、ウイルスのパンデミック(世界的大流行)はだんだんと状況が悪化して終息の予測が難しい。平時に何を準備すべきかたくさんの教訓を残すだろう」
  ◇
 新型コロナウイルスの緊急事態宣言が京都府、滋賀県を含む全国に拡大されて2週間がたった。未曽有の災禍は終息の気配を見せず、医療現場や暮らしは試練に直面している。歴史的な危機に対応している京滋の首長に現状認識や課題を聞いた。

≪京都府内の感染状況≫

 京都府内の新型コロナウイルスの感染者は4月30日現在で320人。そのうち感染経路が分からない人は約3割に上る。亡くなったのは10人。京都産業大の学生を起点に感染者集団(クラスター)が発生。そこから職員に感染が広がった井手町役場は閉鎖が続いている。