玉串をささげて拝礼する氏子総代ら(中京区・下御霊神社)

玉串をささげて拝礼する氏子総代ら(中京区・下御霊神社)

普段は氏子地域で保存されている剣鉾「亀鉾」。今年は特別に拝殿に飾られた(京都市上京区・御霊神社)

普段は氏子地域で保存されている剣鉾「亀鉾」。今年は特別に拝殿に飾られた(京都市上京区・御霊神社)

 京都市上京区の御霊神社(上御霊神社)と中京区の下御霊神社で1日、春の祭礼が始まった。平安時代に疫病退散を願い行われた御霊会が発祥という歴史ある祭礼。両神社とも昨年は数十年ぶりに神輿(みこし)渡御が復活したが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で神事のみの静かな祭りとなった。


 御霊神社の「御霊祭」では今年、神幸祭の神輿渡御の代わりに御所車で氏子地域を巡幸する計画を進めていたが、多くの見物者の来訪が予想されたため断念。拝殿に剣鉾やいけばなを飾って境内を彩り、氏子総代らが参列して神事を営んだ。小栗栖元徳宮司(76)は「多くの方が不安な思いで過ごしておられるはず。祭りを通して皆さんと思いを共有できれば」と話した。
 中京区の下御霊神社の「下御霊祭」でも神幸祭に代わる神事が行われた。2基の神輿が飾られるはずだった拝殿には、神霊を移した鳳輦(ほうれん)が安置された。出雲路敬栄宮司(50)が、疫病が鎮まり感染者が一日も早く回復するよう祈りを込めた祝詞を奏上した。終了後、出雲路宮司は「新型コロナウイルスが、これほど社会に大きな影響を与えるとは思わなかった。一生懸命お祈りしていくしかない」と語った。