滋賀県の三日月知事(4月30日、大津市・滋賀県庁)

滋賀県の三日月知事(4月30日、大津市・滋賀県庁)

  ―滋賀県の現状をどうみる。
 「新型コロナウイルスとの闘いが長期化するか終息するか、ぎりぎりの瀬戸際。滋賀県は京都、大阪、愛知と経済関係が深く、府県域を越えた通勤・通学者がいる中で感染者が出ている。大型連休時のレジャー訪問や帰省を控えてもらう『今はこんといて滋賀・びわ湖』を呼び掛け、湖周辺の県営都市公園・自然公園園地の駐車場を一斉閉鎖し、テレビCMも流している」


 ―医療崩壊の可能性は。
 「感染症に対応した病床は当初の34床から109床に増やした。県民の命を守る医療の増強に全力を注いでおり、安心していただきたい。ただ、重症者治療には多くの人員、資機材が必要で現場の大変さは続いており、支援に力を入れている」
 
 「医療崩壊を防ぐには県民の行動変容による感染拡大防止が肝要だ。政府の『人と人との接触を極力8割削減する』は分かりにくく、県は(県民が取るべき行動として)『滋賀5分の1ルール』を提唱している。家族5人での買い物を1人にする、会社では50分の会議を10分にするといった『こうすれば社会活動を続けられる』という前向きな呼び掛けをしている」

 ―地元経済に影響が出ている。
 「企業にとって最大の問題は先が見えず、手が打てない点。対策第1弾として、県は休業要請に伴う臨時支援金を支給し、国も個人一律10万円給付、持続化給付金、雇用調整助成金を用意した。これらを県内に届けるのが第一だ。家賃補助など第2弾も必要。マクロだけでなく、労働者や障害者一人一人に目を向ける。県内ではホテルの経営破綻も起き、緊急雇用など、より広い『救済』が早急に要る」
 
 ―政府は緊急事態宣言を7日以降も延長する見通しだ。
 「延長は全都道府県を対象にすべき。差が出ると、人の移動が生じ、感染第2波が起きるリスクが高まる。宣言解除に向け、なぜ延長し、どうなれば解除するのか、政府はデータや根拠、基準と手順を明確にすべきだ。延長なら(休業要請とのセットで)支援・補償はもう一段強力に、財源も含めて措置しないと社会がもたない。国が用意した1兆円では足りない」
 
 ―自粛疲れも懸念される。
 「感染した人は悪くない。ややもすると、社会が分断されかねない。互いが互いを思いやる『お互いさま』の精神を呼び掛けたい。『この状況がいつまで続くのか』という不安は私にも正直ある。ただ、ここに来て1日の感染者数が減り、行動変容の効果の兆しがある。さまざまな移動データを分析しており、活動再開に向けたもう一押しの行動変容を生み出したい。どんな行動がどんな結果につながったかを県民に伝えていく」
 
 ―9月入学制の議論にも知事は前向きだ。
 「現時点での学びの保障にまず力を入れる。ただ、子どもたちが既に3カ月間学べていない状況を取り戻すためには、9月入学制は並行して議論すべきだ。世界の中で日本の学期制が合わず、留学に行けない・来てもらえない状況も変えるべき。国は百年に一度の改革として方向性を示すべきだ」

    ◇
 新型コロナウイルスの緊急事態宣言が京都府、滋賀県を含む全国に拡大されて2週間がたった。未曽有の災禍は終息の気配を見せず、医療現場や暮らしは試練に直面している。歴史的な危機に対応している京滋の首長に現状認識や課題を聞いた。