保育園前の市道交差点で、可搬式オービスを使って速度違反の取り締まりをする警察官(甲賀市水口町鹿深)

保育園前の市道交差点で、可搬式オービスを使って速度違反の取り締まりをする警察官(甲賀市水口町鹿深)

 滋賀県警は、通学・通園路などの狭い道で、速度違反をした通行車両を自動で記録する装置「可搬式オービス」を使った違反取り締まりを強化している。大津市で昨年5月、散歩中の園児ら16人が死傷した交通事故後、減速効果が出ているとし、本年度はさらに台数を増やす。

 4月30日午前8時。甲賀市水口町鹿深の「あいみらい保育園」前の30キロ規制道路の交差点で、可搬式オービスによる取り締まりが始まった。交通機動隊の白バイが周辺をパトロールし、甲賀署員9人が「子どもを守ろう!」と書かれたプレートを手に歩道に並んだ。
 この日は、新型コロナウイルスの影響で通常の約半数の園児が保護者の車で登園。約1時間の取り締まり中、園児や歩行者らに危険はなかったが、同署の中井拓交通課長(36)は「感染予防で最近は外で子どもの姿を見かけず、ドライバーの歩行者への注意が低下している懸念がある。園や学校の再開に備え、安全意識を高めたい」と話した。
 可搬式オービスは、速度を超過した車両と運転手を自動的に撮影。その場では停止などは求めず、7~10日ほど後、違反内容を記した出頭要請書を車の所有者に郵送する。通常の違反取り締まりは、車両の誘導スペースなど広い場所が必要だが、オービスは1メートル四方ほどの場所に設置でき、30~40キロ規制の生活道路で効果的という。
 昨年5月の園児事故後、県警は今年3月末までに、県全域の通学路などで192回取り締まりを実施し、55件を検挙。事故前の18年9月~19年4月末の約8カ月の83件と比べ減少傾向で、県警は「子どもらが通る道路でスピードを落とす意識が広がってきた」とする。一方、30キロ規制道路で70キロ以上、40キロ規制道路で90キロ以上の速度で検挙した例もあり、警戒を続ける。
 本年度、県警は新たに2台を配備する予定で、住民から要望がある通学路などで使用する方針だ。交通指導課は「車が速度を落とせば事故時の致死率は低くなるが、人は焦った時や気が緩んだ時にスピードを出してしまう。園児事故を教訓に、ドライバーの意識を根本的に変えていかなければいけない」とする。