この国の憲法第9条はまるでジョン・レノンの考え方みたいじゃないか?戦争を放棄して世界の平和のためにがんばるって言っているんだぜ―▼日本のキング・オブ・ロック、故忌野清志郎さんは著書にそう記す。2日は清志郎さんの11回目の命日だった。反骨のロッカーは発売中止や放送禁止の目に遭い、とりわけ表現の自由を奪う圧力と徹底的に抵抗した▼ジョンの名曲「イマジン」を収めたアルバム「COVERS」は別の反原発、反戦ソングが原因で一時発売中止になった。アルバムの制作中、幼くして死別した母の遺品に短歌を見つけたという▼清志郎さんの実父ではないが、レイテ島で戦死した最初の夫への思い、さらには戦争の不条理がにじんでいた。「(反戦は)遺伝子に組み込まれていると思った」と語っている▼新型コロナウイルス感染拡大を逆手に自民党内に改憲の議論を進めようとする動きがある。内閣の権限を強める緊急事態条項新設の機運を高める狙いが透ける。それは国家による個人の権利の制限強化にもつながる▼「地震の後には戦争がやってくる」と清志郎さんは警告した。社会の動揺に乗じ、いつの間にかさまざまな自由が狭められていく。コロナの後には…。ベイベ~、気をつけるんだぜ。天国から歌が聞こえてきそうだ。