頑張って目指していたゴールが途中で消えてしまった…。今夏の全国高校総体(インターハイ)は中止という一報を聞き、そう落胆した選手もいただろう。春の選抜大会に続き大舞台がなくなった▼インターハイは、大学間の対校選手権などを示すインターカレッジに模して作られた和製語だ。甲子園での全国高校野球選手権と並び、高校日本一を決める夏の風物詩として定着している▼授業すら実施できない状態で開催するのは無理な話だ。でも、すでに予選を兼ねた地方大会中止を決めた地域もある。3年生になって公式戦を経験せず「引退」する選手が続出しそうだ▼昨年の全国高体連の加盟者数は約119万1千人。うちインターハイ参加者は約2万8千人と2%ほどだが「今年こそは」と燃えていた選手もいるだろう。出場した一握りの選手だけでなく、高校生に欠かせない目標だった▼五輪や世界選手権への登竜門であると同時に、卒業後にスポーツから離れる選手には集大成の機会でもあった。喪失感を少しでも和らげる救済策を考えるのは大人の責任だ▼今までの努力を想像すれば、高校生を励ます言葉は簡単には見つからない。でも、練習の成果が自分から消えてなくなることは決してない。そう信じて、スポーツマンらしく乗り越えてほしい。