窓を開け、香をたいて座禅を行う。肩の力を抜いて五感を研ぎ澄ます(京都市東山区・両足院)

窓を開け、香をたいて座禅を行う。肩の力を抜いて五感を研ぎ澄ます(京都市東山区・両足院)

座布団を2枚使うと安定した姿勢が保ちやすい。なければクッションでもよい

座布団を2枚使うと安定した姿勢が保ちやすい。なければクッションでもよい

 新型コロナウイルス終息の見通しが見えず、不安やストレスを募らせていませんか。建仁寺(京都市東山区)塔頭、両足院の伊藤東凌副住職は「座禅は心のストレッチ。気持ちが落ち着きますよ」と説く。

 座禅は禅宗に取り入られる修業の一つ。足を組んで姿勢を正し、呼吸を整え、精神を集中させる。最近は、リラックス効果があるとして、一般の愛好者も増えている。
 初心者でもできる座禅法を教わった。足の組み方は、右足先を持って左足太ももの付け根に乗せ、逆も同様にする。「組めなければ、正座でも椅子でも大丈夫。体が安定し、背筋が伸びて肩の力が抜ける姿勢を心がけて」。五感を研ぎ澄ますことが何より大切で、集中できるよう部屋を整頓する。聴覚を働かせるために窓を開けて風を入れ、嗅覚に届くよう香やアロマオイルをたく。
 感覚を段階的につかむため、3分間の座禅を計3回行う。1回目は香りや葉ずれの音など体外に神経を澄ます。2回目は、体外に加え、血液の巡りや心臓音など内側に意識を向ける。深呼吸や体を左右に揺らし、変化を感じてもいい。
 3回目は、内側と外側に向けた感覚をいっそう研ぎ澄ます。半眼で眉間にしわを寄せず、肩の力を抜き、呼吸に意識を向ける。力みから解放され心身ともにほぐれる、という。「無になるというイメージがあるが、頭を空っぽにしようと努力するのは間違い」。確かにかえって雑念が沸いてしまいそうだ。
 五感を研ぎ澄ますことで、悩みにも効くと助言する。「現代人は心が全てだと思いがちだが、心も五感と合わせ、“六根”のうちの一つと捉え直す。6分の1だと思うと少し楽になりませんか」。
 座禅ができない時は、窓を開けて光を感じたり、急須でお茶を入れて香りやぬくもりを味わうだけでもいい。「生活の中で五感を意識することが、すべて座禅につながる」
 伊藤副住職はオンライン座禅会「雲是(うんぜ)」を始めた。火~金曜日の午前8時半から30分間。両足院のホームページからアクセスできる。