3月の名古屋ウィメンズマラソンでMGC出場権を獲得した福士(ナゴヤドーム)

3月の名古屋ウィメンズマラソンでMGC出場権を獲得した福士(ナゴヤドーム)

 2016年リオデジャネイロ五輪女子マラソン代表の福士加代子(ワコール)が、15日の東京五輪代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」に挑む。女子の出場者12人のうち最年長の37歳。2位までに入れば、トラック種目を含め5大会連続の五輪出場という偉業となるが、「準備がいかにできるか。スタートラインに立てばやるしかない」と気負いはない。

 女子3000メートルと5000メートルの日本記録を持つトラックのエースがマラソンに初挑戦したのは、11年前の大阪国際女子。終盤に失速し、競技場で何度も転倒しながらゴールした。以降、銅メダルだった13年の世界選手権(モスクワ)やリオ五輪など多くのレースを経験したが、「マラソンは全くつかめていない。イメージがわかない。長すぎて」と冗談交じりに笑う。

 MGC出場権を狙った1月の大阪国際女子は「緊張して体がうまく反応しなかった」と転倒により途中棄権した。この苦境でベテランらしい修正力を発揮。失敗を引きずらず「緊張だけを取る」という独自の調整で持ち直し、3月の名古屋ウィメンズは2時間24分9秒と自己ベストに次ぐタイムで日本勢2位に入った。

 大一番を前に、良かったと思う過去の走りを映像で見返したが、「全部緊張していて、『駄目だこりゃ』と感じた。過去は捨てる」ときっぱり。「考えても考えなくてもうまくいかない。勝ちたい気持ちは走りながら出てくればいい」と、シンプルな思考を追求している。

 4月に太ももを痛め、予定していた国内レースを回避していたが7月からは合宿に参加。MGCではライバルにもなるチームメートの安藤友香や一山麻緒とともに調整を進めており、「気づいたら(ワコールの)3人が残っていたら最高」。若手に刺激を受けながら虎視眈々(こしたんたん)と五輪切符を狙っている。

(山本旭洋)