ICOM京都大会の閉会式であいさつする佐々木組織委員長(7日午後7時46分、京都市東山区・京都国立博物館)

ICOM京都大会の閉会式であいさつする佐々木組織委員長(7日午後7時46分、京都市東山区・京都国立博物館)

 国際博物館会議(ICOM)京都大会は7日、京都市左京区の国立京都国際会館で総会などを開き、アジア美術や文化を重視する「アジア地域のICOMコミュニティへの融合」など決議5件を採択し、閉会した。博物館の定義を見直そうと、ICOM規約の大幅改正も協議したが、時期尚早として採決を延期した。(3面に「インサイド」)

 アジア美術の決議では、コレクションの保存管理や研究において進展に各施設で隔たりがあり、相互理解を図るよう努めると強調。専門家による交流やネットワークの設立、データベースとデジタルコンテンツの構築を推進するとした。京都大会のテーマ「文化の結節点としての博物館」の徹底を掲げた内容も採択された。決議は加盟施設の活動方針に反映される。

 博物館定義の見直しは、気候変動や災害、紛争などが世界的に問題となり、地域とのつながりや貢献も要請される中、社会的な存在として向き合っていく姿勢を示す狙いだった。45年ぶりの大幅改正を目指した定義案では、収集や展示といった従来の活動を多様な共同体と連携して取り組むと強調。さらに「民主化を促し、包摂的で様々な声に耳を傾ける」「現在の紛争や課題を認識、対処」といった文言を加え、社会や地域における役割も果たすという新たな使命も示す。

 だが、この日の協議では定義案に対し、「もっと分かりやすいメッセージに練り直すべきだ」「時間を掛けて討議したい」という声が相次ぎ、採決延期の動議が出され、可決された。

 京都国立博物館(東山区)で閉会式があり、大会組織委員長の佐々木丞平・京博館長は「毎年200の国際会議が京都であるが、これほどの規模の文化会議は初めて。大会を通じて博物館が社会を動かすことのできる可能性を知った。将来のミュージアム発展につなげたい」と語った。

 京都大会は1日に始まり、120の国・地域から専門家ら約4600人が参加し、博物館の将来像を協議した。次回は2022年にチェコ・プラハで開かれる予定。