京都市役所

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 京都市はこのほど、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、病院や福祉施設、家庭内での集団感染を防ぐため、感染者との接触者は症状の有無に関わらずPCR検査を行う独自の新基準を示した。新基準を設けたのは、症状のある人だけを検査していては感染拡大を防げないからだ。実際、市内で発生したクラスター(感染者集団)では、無症状の人が感染拡大の一因になったとみられている。

 入院患者や看護師ら34人が感染した堀川病院(上京区)。4月10日に2階の「地域包括ケア病棟」で感染が判明して以降、感染者を3階に隔離し治療に当たったが、感染者が立ち入っていないはずの4階でも患者1人の感染が29日判明し、関係者に衝撃が走った。
 市が4階に出入りする病院スタッフ全員に検査を実施したところ、各階を行き来する理学療法士1人の感染が確認された。この理学療法士は健康状態に問題がなく、ほかに陽性反応が出たスタッフはいないことから、市は「この理学療法士から4階に広まった可能性が高い」とみている。
 市は堀川病院での経験を踏まえ、入居者や介護職員計11人(5月7日現在)の感染が確認されている介護付有料老人ホーム「プレザンメゾン堀川今出川」(上京区)では全88人を検査。無症状の介護職員も見つかっている。市保健福祉局の安部康則担当局長は同ホームを例に「できるだけ早くクラスターの芽を摘みたい」と新基準の狙いを説明する。
 一方、保健所で検体採取や搬送を担う医師や保健師らの人員態勢はひっ迫しており、「PCR検査の数が増えれば増えるほど厳しい」(市幹部)のが現状だ。市は4月に新型コロナに対応する保健所の職員を倍増させたが、さらなる拡充が求められる。