新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言が5月末まで延長される中、大阪府が府民に対する外出や休業の自粛要請を段階的に解除するための独自基準を定めた。

 感染経路が不明な人の数、PCR検査で陽性になった人の割合、重症患者用の病床使用率の3指標について、1週間続けて目標値を下回れば要請を緩和するとした。

 自粛要請がいつまで続くのか、先の見えない不安が募っている。どのような状況になれば解除されるのか分かりにくい。

 大阪が独自基準を設けた背景には、緊急事態宣言を延長したにもかかわらず、その「出口」の目安を示せない政府への不満がある。 政府には自治体の意見を尊重し、判断を支える姿勢が求められるのではないか。

 大阪の基準は、分かりやすさを重視している。各指標の状況をホームページなどで府民が確認できるようにするほか、達成状況に応じて大阪城などを緑、黄、赤でライトアップする案も検討されているという。

 対策を緩めるだけでなく、強める指標にもなるようにしている。専門家からも「納得感や安心感につながる」と評価する意見が出ている。引き続き市民に感染拡大防止への協力を求める上で有効な手だてになろう。

 ただ、なぜ3指標なのかについては不明確だ。大阪府の専門家会議の座長は「経済と医療の兼ね合いでつくった指標」としており、実態を正確に捉えられるのか懸念の声も出ている。

 この基準だけで十分なのか、基準が機能しているか。検証を丁寧に重ねていく必要がある。

 長引く自粛要請が経済活動や市民生活を直撃している。経済の再開は重要だが、医療崩壊は避けなければならない。解除には慎重な判断が求められる。

 西村康稔経済再生担当相は6日の会見で、自粛要請や解除は知事の権限としたが、緊急事態宣言が土台になっている。政府の責任で出口戦略を明確にすべきだ。

 自粛要請を巡っては、休業要請の対象業種について国と東京都の意見が食い違い、支援が遅れた経緯がある。都が独自に決めた協力金支給が他の自治体に広がり、政府が臨時交付金を財源に活用できるよう変更するなど、自治体の取り組みが先行している面がある。

 自治体は専門人材が不足するなど、独自対応に限界がある。政府と地方の連携は欠かせない。