【今回の相談】

私は、他人に自分のアイデアや工夫を真似されるのが苦手です。
周りに真似をしてくる人がいて、その人との関わり方に悩んでいます。
黙って様子を見ていると、さも「自分が考えました」と装っている状態から徐々にエスカレートし、最近では「自分が先だ!」と遠回しに主張してくるようになりました。
大人の対応を取ろうと黙っているのですが、体調不良を引き起こすようになってしまいました。
自分が苦手だと思う人との最善の関わり方を教えてください。
よろしくお願いします。
(21歳女性)

 

【ハラダの答え】

相談ありがとう。
苦手だと思う人と最善の関わり方。いくつかの方法が考えられると思う。
関係を断つ、距離を今よりも遠くする、あえて距離を詰める、自分の考え方を変える、相手の考え方や態度を変えてもらう、などなど。
選択肢のいくつかは、「やりたいけど出来ないんです」ということだったりもする。例えば、あなたが苦手な人とは「仕事上の付き合いで、関係を断つことは出来ないです」という場合もあるだろう。「友達グループの中での話だから、自分のわがままでみんなの関係が崩れるのが嫌なのです」という場合もあるかもしれない。
少し乱暴だけれど、一度、シンプルに考えてみよう。その仕事を辞めてしまえば、苦手な人との関係は断てる。共通の友達関係に影響があっても、崩れた後の新しい関係の方が素敵だと思えるなら、一度崩してみるのもいいかもしれない。

つまり、身動きが取れなくなっている理由は、自分が望んでいることが一つだけではなく、いくつかの大切なことが絡まり合っているからなのだと思う。その絡まり方が、全てのケースで違っているから、全てのケースの「最善」も違ってくる。あなたが何を大切に思っているかで、あなたの動き方も変わってくるのだ。

ここからは、僕が相談から感じたことを推測の中で書いてみよう。
注目したのは「体調不良を引き起こすようになってしまいました」と言う一文。きっとストレスからの体調不良だろう。この段階で、もう我慢しなくていい。自分の体を一番に考えていい。行動を起こしていい。
あなたの自己分析では、体調不良は、「自分の工夫を盗んで知らん顔をしている苦手な他人の存在」に対するストレスから来ている。

どんな行動が考えられるだろう。
あなたは「大人の対応」が「黙っていること」だと判断しているけれど、「黙っていないこと」も一つの行動だ。でも、「『子供っぽい対応』はしたくない自分」にとって、それもストレスになるのかもしれない。これは優先順位を自分で決めることができる。「言いたいことはあったけど、大人として我慢できた自分が好き」なら黙っていることにストレスはない。「我慢の限界がきたので大人として言わせてもらう」という選択もある。弁護士に依頼してアイデアを盗まれたことを証明してもらい、盗んだ相手に対価を支払ってもらうために裁判を起こすという行動だって、ビジネスの世界ではごく普通の選択肢として存在する。
友達なら大喧嘩をするのもいい。正直に本当に腹が立っていること、自分のアイデアを盗んだと認めて欲しいこと、体調まで悪くなっていることを伝えて「謝ってほしい」「態度を改めてほしい」と要求してもいい。そこまでやっても聞く耳を持たないなら、友達である必要がないと判断すればいいのかもしれない。

実は、ストレスの本当の理由は状況が変わらないことにあるんじゃないかと、僕は思う。そして、自分に非がないから自分は動かなくていいはずだという潜在的な思いが、あなたにはあるのかもしれない。「あの人が間違っているのに何で私から行動をしないといけないの?」というわけだ。

それでも行動する場合、あなたの行動を支えるのは、愛か憎悪だ。
憎悪が行動のモチベーションの場合、相手に自分以上の苦痛を感じさせることが目的になる。恥をかかせ、二度と立ち上がれないようにこてんぱんに痛めつけ、相手の存在を抹殺するために動く。
一方、モチベーションが愛の場合、相手は自分の悪い部分に気が付くチャンスをもらえる上に、あなたが信じる善き世界、正しい世界にあなたを取り巻く状況が少しだけ変化するかもしれない。

あなたは自由だ。自由だが一人では生きていけない。生きていく以上、好きになれない人と関わることもある。その関係の一つ一つに真摯に向き合っていくことが、最後は自分を守ってくれるのだと僕は思う。自分の意思で向き合えるという意味で自由なのだ。自由であることは面倒臭くてエネルギーがいる。
僕は、自由であるためのエネルギーは、愛から引っ張り出すべきだと思う。それが今回の質問に対する、僕の答えだ。綺麗事で理想論だと思われるかもしれないけれど、出来るだけ自分の邪悪な感情を取り除き、損だと思っても愛と勇気を持って自分から行動してみることが、結局は大好きな自分と居心地のいい環境を生み出すのだと思う。

自分が大切に思っていることを整理して、優先順位をつけていく。憎悪を基に優先順位を判断していないか、その検証も忘れずに。優先順位が決まったら勇気を持って行動すること。そうやって地道に、自分の最善を見つけて素敵な人生を築いていってほしいと思います。

「ゆらぎのなかで」作詞作曲:原田博行

我慢できないよって伝えた 大喧嘩になった
言い分を聞いた やっぱり僕は悪くないと 思った
喧嘩したら 前より楽になった
相変わらず大嫌い でもあいつも少しは 変わった
そばにいた友達が褒めてくれた きみは偉いねなんて言われてさ
ちゃんと見てくれてる人もいるよ 間違ってなかったんだって気がするよ
風が吹いたんだ
風が吹いたんだ


サウンドロゴ・クリエイター、シンガーソングライターにして現役高校教師の原田博行(ハラダヒロユキ)が、あなたの悩みに答える歌をギター1本で弾き語り、歌えば人生のヒントが見えてくる!?⇒お悩みの応募は(haradise@mb.kyoto-np.co.jp)まで。