検討されている民事裁判IT化のイメージ

検討されている民事裁判IT化のイメージ

ネット中継導入など民事裁判IT化に向けて日弁連が行った模擬裁判(京都市上京区・同志社大)

ネット中継導入など民事裁判IT化に向けて日弁連が行った模擬裁判(京都市上京区・同志社大)

 裁判手続きをIT化するe裁判が来年から京都地裁などで運用されるのを前に、日弁連は7日、e裁判や人工知能(AI)で変わる弁護士実務について、同志社大今出川キャンパス(京都市上京区)で討議した。書面や弁論準備を法廷で紙かファクスで交わす現状から、オンライン登録やウェブ会議で行えば便利になる反面、必要となる高齢者らIT弱者へのサポートや、なりすましをはじめとした情報セキュリティー対策などの課題を話し合った。

 日弁連の弁護士業務改革シンポジウムの一環。e裁判の分科会では、来年5月から京都地裁などで、民事訴訟の争点整理手続きや期日協議など、現行法で行える範囲で裁判所デジタルシステムの運用が始まることと、国のe裁判と法改正の検討状況が報告された。

 法廷に裁判官や弁護士が出廷しないで、ウェブ会議で済ますことや訴状などを電子提出することも国レベルでは検討されている。

 シンポでは、京都の会場と東京をネット会議中継で結び、書面をアップロードして討議する模擬e裁判もあった。裁判は傍聴など公開の原則があるが、e裁判では公開性と情報セキュリティーをどう両立するのかとの問題提起もあった。

 米国シカゴの裁判所がIT化でどう変わったのか、現地視察した滋賀弁護士会の岡村庸靖弁護士が報告。「意思疎通の円滑さから、ビデオ会議よりも法廷が好まれている。一方、大手弁護士事務所は契約書や判例調査などにAIを導入し、何人もの弁護士が担っていた従来よりも、はるかに短時間で済むようだ」と話した。

 ウェブ会議の活用は来年2月から、東京、大阪地裁などで先行運用される予定。