亡き夫との25年にわたる闘病生活をつづった本を出版した芳賀さん(草津市内)

亡き夫との25年にわたる闘病生活をつづった本を出版した芳賀さん(草津市内)

 心筋梗塞と腎不全を患い、亡くなった夫との25年間にわたる二人三脚の闘病生活を、滋賀県草津市の小学校講師芳賀町子さん(70)が本にまとめ、自費出版した。人工透析を続けながら海外旅行や登山に出掛け、前向きに過ごした日々をつづった。「同じ立場の人が『こんなこともできるのか』と知り、元気を感じてくれたら」と願う。

 タイトルは「走り抜けたパパ」。県職員だった夫の正男さんは、1994年に心筋梗塞と診断され、その治療薬の副作用で腎臓機能が低下。99年に腹膜透析を始め、昨年春に69歳で亡くなった。

 本では、腹膜透析液を持参してモンゴルやアメリカ、スペインに夫婦で旅行したことを旅先の写真とともに紹介。長野県の常念岳(2857メートル)を登り切り「こんな体になったが夢をかなえられた」と夫が喜んだことも記した。

 没後、思い出を大学ノートに170ページ分書きつづった芳賀さんは「子どもや孫へ残したい」と出版を決意。「多くの患者さんのヒントになれば」との思いも込めて完成させた。

 治療を巡る戸惑いも率直に書いた。意識障害を起こして入院した際、夫の前で主治医に延命治療を受けるかを聞かれ「私ははらわたが煮えくり返った」とつづっている。

 芳賀さんは「体調管理をきちんとできれば、透析をしながらも楽しく生きられることを伝えたい」と話している。四六判173ページ。希望者には2千円で販売する。