自民、公明両党は新型コロナウイルス対策として、飲食店など中小テナントの家賃支援策をまとめ、政府に提言した。

 中小・個人事業主を対象に家賃の3分の2を直接給付する。月額上限は中小事業者50万円、個人事業主25万円で、半年分を助成する。

 対象は収入が前年同月比で半減した事業者とする。自治体が実施する家賃対策にも財政支援するとしている。

 外出自粛や休業要請で売り上げが急減する中、家賃や人件費など固定費が経営を圧迫している。

 東京商工リサーチのアンケートでは、売上高に対する家賃負担の割合が2割以上と回答した中小企業が25%に上った。

 事業者らは手元資金が底を突くことへの不安を日に日に強めている。緊急事態宣言が延長され、状況のさらなる悪化が心配だ。

 政府、与党は家賃支援を含む第2次補正予算案の編成に着手する。野党は政府系金融機関が家賃を肩代わりする独自法案を提出しており、調整が焦点となる。

 時間に余裕はない。予算編成を急ぐべきだ。

 中小企業の置かれている状況は厳しい。国の「持続化給付金」の申請が始まった1日には、専用ホームページにアクセスが殺到し、手続きが一時できなくなった。

 一方で、従業員の雇用を維持した企業に休業手当を助成する雇用調整助成金は、手続きが煩雑で支給までに時間がかかりすぎるとの不満が噴出している。

 既に全国で企業倒産が相次いでいる。歯止めをかけるには、国や自治体の支えが必要だ。

 こうした中で家賃支援の意味は大きい。支援策について、与党は迅速な取り組みをアピールする。緊急経済対策の一律10万円給付で予算を組み替える事態となり、政府内や与党間の綱引き、迷走ぶりが世論の批判を浴びたことが背景にあるのだろう。

 それでもなお、当事者が求めるスピード感にはほど遠い。

 国を待たずに自治体が独自の支援策に取り組んでいる。欧米などでは家賃の支払い猶予や現金支給といった対策に乗り出し、3月に方針を打ち出した国もある。

 経済情勢の悪化を巡り安倍晋三首相は「(1929年の)大恐慌の時よりも、ある意味では精神的には厳しい状況になっている」と予算委員会で述べた。

 その認識があるなら、対策を小出しにせず、早急にあらゆる手を尽くすべきだ。