コロナ禍でどこもマスク姿ばかりだが、手作りの一点物で予防する人が増えている。家族おそろいのチェック柄や水玉模様、おしゃれな刺しゅう入りも見掛ける▼市販の不織布マスクが入手できず、窮余の一策とはいえ、ほほ笑ましい。そんな十人十色のマスク姿を本紙が募ると、300通を超えるメールが寄せられた。紙面で紹介された「ワタシノマスク」は、どれもかわいい。センスが光る▼ただ手芸用品店でも材料のガーゼタオルやゴムひもは品薄とか。そこで創意工夫。タイツをひも代わりに使うといったアイデアがインターネット上に提供されている▼政府が466億円をつぎ込むという例の「アベノマスク」が各家庭に届くのは、不良品混入騒ぎもあり、さていつになるのやら。各地で市民グループなどが手作りマスクを学童保育や高齢者施設に贈る活動が広がっているのが心強い▼スペイン風邪が流行した100年前もマスク不足が生じ、家庭で布マスクを作って危機を乗り切ったそうだ。マスク寄贈の美談は当時も多かった。庶民の知恵と善意が1世紀を経てよみがえったとも言えようか▼布マスクは不織布に比べてフィルター機能が劣るのはやむを得ない。その分、洗えば何度も使える。それに作り手の家族や大切な人への思いがこもっている。