テークアウトや宅配で食中毒の注意点

テークアウトや宅配で食中毒の注意点

テークアウト弁当用のカツ丼に入れるとんかつに規定温度まで火が通っているか確認する従業員(草津市大路2丁目・「名代 宿場そば」)

テークアウト弁当用のカツ丼に入れるとんかつに規定温度まで火が通っているか確認する従業員(草津市大路2丁目・「名代 宿場そば」)

 新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛を受けてテークアウトを始める飲食店が急増する中、気温が高くなる季節を迎え、食中毒発生を危惧する声が飲食関係者の間で高まっている。テークアウト未経験の新規参入も多く、衛生管理が十分行き届かない店舗もあるとみられるためだ。関係者は「食中毒を出せば経営の命取りになりかねない」と警鐘を鳴らしている。

 「TAKE OUTできます」。緊急事態宣言後、京滋の街中にはこんなのぼり旗や張り紙があふれる。居酒屋やカフェ、和洋各種の料理店など多様で店内客減少の穴埋めが狙いだ。

 滋賀県草津市内の国道1号沿いのそば店「名代 宿場そば」もそんな店の一つ。先月24日からカツ丼やかき揚げ丼といった弁当7種類を販売する。最も気を使うのが食中毒対策だ。店を経営する南弘蔵社長(39)は「起こり得る事なので危機感を持っている」。以前からノロウイルス対策などに力を注いでいたが、コロナ禍を受け、揚げ物の温度管理の徹底をはじめ、殺菌効果のある次亜塩素酸ナトリウムを使って調理場や器具などの清掃回数を増やし、記録にもつけている。

 会員制交流サイト(SNS)には食中毒に注意を促す書き込みも目立つ。国産牛ステーキ丼専門店「佰食屋」(京都市右京区)の中村朱美オーナー(35)は先月、7年半超続けるテークアウト営業で一度も食中毒を出していないノウハウの一端を事業者向けに投稿した。飲食物の賠償責任保険加入や菌の付着や異物混入を防ぐためビニール手袋とメッシュキャップの着用、消費期限の表示など5項目を挙げた。一度のみの投稿だったが、多く拡散され、反響を呼んだ。

 食中毒患者が増えることで新型コロナに立ち向かう医療従事者への負担増を懸念したという中村さんは「店内での飲食物提供は店員の目に見えるが、テークアウトは違う。消費者がいつ食べるのかも分からず、そこまで想像力を働かせて提供しないといけない」と訴える。