西川貴教さん

 滋賀県の「滋賀ふるさと観光大使」を務める西川貴教さん(49)が、インターネット電話「スカイプ」で取材に応じた。新型コロナウイルスの感染拡大で大型連休中も観光や外出の自粛が続き、「滋賀が大事であるがゆえに『滋賀に来て』と言えないのが悔しくて仕方がない」と心境を吐露。「これからも地元のためにできる支援を続けたい」と湖国への愛情をにじませた。

 西川さんは、滋賀が誇る食材の生産者を応援するプロジェクトを県と協力しながら進めているという。「(生産者に)利益を還元したり、廃棄されるものを一つでも減らしたりすることができないか。踏み込んだ形の支援ができれば」と語った。
 
 休校が長引き、不安を抱える子どもたちにも思いを寄せ、「人生の中で、悩みや悔しい気持ちが糧になるタイミングはきっとある。当たり前の日常を取り戻すために頑張っていきましょう」と呼び掛けた。

 新型コロナウイルスの感染拡大により、今年の大型連休は帰省がかなわず、望郷の念を募らせた人も多いだろう。彦根市で生まれ、野洲市で育ったミュージシャン西川貴教さんの目に、滋賀の今はどう映るのか。子どもたちへのエールや、湖国で毎年開く音楽イベントへの思いを聞いた。

-古里の動向をどのように見ているか。
 「感染者数など滋賀のニュースは毎日確認している。帰省のたびにお世話になっていた(大津市内の)ホテルが倒産したと聞き本当に悲しかった。県とも相談しているところだが、農畜産業を応援するプロジェクトができないか模索している」

 -県に300万円の寄付を申し出たのはどんな思いから。
 「地元への思いのある方々が寄付活動へと動いてくれるきっかけになれば、というのが一つ。もう一つは、高齢の祖母や父が医療関係者に大変お世話になっているので少しでも手助けになればと」

 -子どもたちは学校に行けない生活が続いている。部活動もできず、大会は相次いで中止となった。目標が見えなくなった時、どう乗り越えればいいか。
 「みんな不安だと思う。僕にもおいっ子やめいっ子がいるので、学力の低下も心配。目指してきた大会も失われて言葉にできない。でも、発想を転換してみてほしい。今は何かを学び取るチャンス。『何ができるのか試されている時だ』って。先のことをどれだけ考えていけるかが大事。抱えている悩みや悔しい気持ちを、ノートでも携帯電話でもいいので残してほしい」
 「僕は20歳ぐらいでバンドでデビューしたが、ソロとして再デビューする25歳まで何のきっかけもつかめなかった。その間にひたすら曲を作り、ステージでやりたいことを自分の中にたくさんためていった。そして、活動する場所を与えてもらった時にそれを片っ端からやった。うまくいかなかった5年間は無駄にはならなかった。人生の中で取り返す場所はきっとある。悔しさはパワーに変えられる。今の気持ちを忘れないでほしい」