明治の初め、全国に先駆けて小学校が京都市内に誕生したことは知られている。「番組小」と称され、建設費は町衆の寄付金によって賄われた▼自分の地域に必要なものは資金を提供し合って維持する。新型コロナウイルスの影響が長引く今、そんな心意気に着目したい。子育てや貧困、高齢者…。さまざまな課題の解決に向けて活動するNPOや市民団体が運営や存続の危機にあるからだ▼「10万円の一律給付金で地域を支えて」と呼び掛けるのはNPO法人きょうとNPOセンター。国会議員らに受給辞退の動きがあるなか、受け取った上で使途の一つとして、公益のために尽力する団体に寄付してみてはどうかと提案する▼寄付文化は欧米などに比べて根付いていないとも聞く。行政や企業と違う立場で身近な生活を支える民間組織への応援、と考えることもできる▼京都市市民活動総合センターは「市縁堂」という寄付集めのイベントを毎年開いてきた。NPOなどが使命や夢を発表し、共感した参加者はその場でいくらかを支援する場で、今回もサイトで情報発信している▼医療従事者に対する寄付は広がっている。他にも必要とされる分野がある。目立たず奮闘している人たちのために、ささやかでも町衆の心意気をまねることはできるかもしれない。