品薄状態が続くアルコール消毒液

品薄状態が続くアルコール消毒液

 新型コロナウイルス感染拡大に伴い消毒用アルコールの品薄状態が続く中、京都をはじめ各地の酒造メーカーがアルコール度数の高い酒を代用品として販売している。国税庁はこのほど、容器に「飲用不可」を明記するなどの要件を満たせば今月出荷分から酒税を課さない通知を出した。より安い値段で代用品を販売できるようになったが、通知が出る前に「飲用可能」として大量に作ったメーカーもあり、「もっと早く通知を出してほしかった」と苦言も出ている。

 消毒用アルコールの代用品については厚生労働省が3月、アルコール度数70~83%の酒を医療機関向けに特例で認め、入手困難な時は60%台でも使用を許した。京都でも複数の酒造メーカーが高濃度アルコール製品を消毒用として医療や高齢者関連施設に寄贈、一般向けに販売している。
 国税庁は今月1日、厚労省が定めた要件に加え、酒税法に基づいて容器に「飲用不可」の表示を明記するほか、製造や販売について都道府県の指示に従うことなどを条件に酒税を課さないとしている。
 国税庁によると、酒税法では発泡酒や醸造酒など酒を4種類に分け、アルコール度数などに応じて異なる税率を定めている。価格が900円のスピリッツ(500ミリリットル)でアルコール度数80%の場合、酒税が400円、消費税と合わせて1430円となるが、今回の通知要件を満たせば990円となる。
 価格が下がれば消費者は恩恵を受け、酒造メーカーも販売しやすくなるはずだが、先月から高アルコール度数の酒を販売している京都市内のメーカーは「在庫も含め全て『飲用可能』で作っており、今回の要件に当てはまらない。厚労省の特例と同時に通知を出してくれたら対応できたのだが」と話す。
 国税庁酒税課は「報道などで酒造メーカーの取り組みを見て何らかの対策が必要と考え、今回の措置に踏み切った」という。別の酒造会社も、現在販売している商品は同庁が示す要件に当てはまらないとした上で「今後、通知に沿った商品を作るかもしれない。需要はしばらくありそうなので、安く商品を提供できるようになったのは朗報といえる」と、通知そのものは歓迎している。