ロームが11日に発表した2020年3月期連結決算は、純利益が前期比43・6%減の256億円だった。米中貿易摩擦や中国経済の減速に加え、新型コロナウイルスの感染拡大で、注力する自動車や産業機器市場が低迷し、各分野で伸び悩んだ。
 売上高は9%減の3628億円。主力の高密度集積回路(LSI)は7%減。車載は先進運転支援システム(ADAS)のような電装化関連で採用が進んだ一方、カーオーディオなど車内の情報機器向けが減少。産業機器向けは中国でスマートフォン関連の設備投資が落ち込んだ。半導体素子も自動車や産業機器向けが減少し9%減だった。
 経常利益は44・7%減の357億円。減収が大幅減益につながったほか、前期の為替差益39億円が4億円に減少したことも利益を押し下げた。
 同日付で退任した藤原忠信前社長は「自動車向けは電装化で長期的には伸びるが、先は見通せず足元は低迷している」と述べ、感染拡大の影響が不透明として21年3月期の業績予想は見送った。
 また、感染拡大により中国やフィリピンの生産拠点が同時期に稼働停止したことを受けて「BCP(事業継続計画)対応が不十分だった。省力化や自動化を進め、ものづくりを変えないと顧客の信頼は得られない」とし、後任の松本功新社長に解決を託した。