本来なら小中学校に通う年齢にもかかわらず、国公私立校や外国人学校などに通っていない―。

 そんな不就学の可能性のある外国籍の子どもが全国に2万人近くいることが、文部科学省の初めての調査で分かった。京都は455人、滋賀は22人だった。

 外国籍の子どもの不就学問題はかなり以前から指摘されてきた。学校に行きたくても行けないまま、大人になった人も相当数にのぼるとみられる。

 国は自治体任せにして対策に本腰を入れてこなかった。調査が遅すぎると言わざるを得ない。

 日本も批准した国際人権規約や子どもの権利条約は、外国人も含めて学ぶ権利を守るよう国に義務づけている。

 文科省によると、外国籍の子どもが公立小中学校への就学を希望すれば無償で受け入れているが、外国人は就学義務を負っていない。さらに子どもや保護者が日本語を十分理解できないことや、自治体の支援態勢のばらつきなどが不就学の背景にあるという。

 改正入管難民法が4月に施行され、国内で生活する外国人や子どもは一層の増加が見込まれる。

 だが法案審議が極めて不十分だったため、多くの課題が残ったままだ。移民を認めない国の姿勢が対策を後回しにさせ、そのしわ寄せが、最も心配な子どもの教育問題に来ているといえる。

 文科省は、外国出身者ら日本語指導が必要な高校生の中退率が、高校生全体に比べ7倍以上高いとする調査結果も発表した。

 日本語だけでなく、将来像を描けないなどさまざまな理由があるようだ。働いたり、家できょうだいの世話をしたりしている子どもも大勢いるとみられる。

 外国人の多い浜松市は不就学を生まない仕組みづくりを進めた。それでも行政だけでは限界があり、NPOなどの支援団体や外国人コミュニティーなど関係団体が大きな力となったという。

 湖南市では日本語初期指導教室を開設している。子どもたちの受け入れ態勢を強化し、多文化共生へ手探りを続けている。

 しかし、多くの自治体では組織として支援する態勢すら整っていないのが実情だ。「多言語による就学案内の送付や就学状況把握も満足にできていない」と専門家は指摘する。

 国はさらに実態把握に努め、先進的に取り組む自治体にも学び、不就学をなくすための環境整備を急ぐべきだ。