伏見稲荷大社を訪れた日本人観光客にアンケート調査を行う大学院生(左)=京都市伏見区

伏見稲荷大社を訪れた日本人観光客にアンケート調査を行う大学院生(左)=京都市伏見区

 有名観光地の混雑緩和や観光客の分散にはどのような手法が効果的か、データ解析とフィールドワークを組み合わせた共同研究が進んでいる。京都市観光協会と京都大経営管理大学院、ベンチャー企業が連携し、京都を訪れる観光客の関心や動機、行動を探っている。

 共同研究では、同大学院で観光経営やサービスなどを学ぶ大学院生11人が中心となり、京都観光の現状分析を通してより効果的な情報発信のあり方を検討する。

 大学院生らは、ホームページの閲覧データ解析を手掛けるプレイド(東京)とともに同協会のサイト「京都観光Navi」や外国人向けサイトの閲覧情報を分析。どのような情報が多く閲覧されているかや、閲覧者の属性、関心の対象などを関連させて把握した。

 これらのデータから、観光客はどのような情報をもとに行き先を決定するのか、事前に目的地の何を調べ、何を期待して訪れるのかなど仮説を立てた。

 9月からは、京都市内の有名観光地などで実際に英語圏と中国語圏、日本人の観光客にアンケート調査を行い仮説を検証している。

 これまでに調査した中国語圏の訪日客はリピーターが多く、郊外や周辺部にも目が向く傾向があるという。

 観光客でにぎわう伏見稲荷大社(伏見区)では、大学院生が日本人観光客に情報収集の手段や旅行の内容、混雑の印象などを聞いた。多くの回答者は混雑を知った上で訪れていて、混雑していない類似スポットがあったとしても伏見稲荷大社には行くとの意見が多かった。

 調査した中嶋浩子さん(39)は「観光客は事前に混雑に関する情報を知っていたら行動が変わるのかどうかに関心があった」と振り返った。平井佳亜樹さん(38)は「混雑を分かっていても訪れる人が多いのは予想通り。目的地を変えてもらうのは難しいが、時間帯や時期をずらしてもらうのが混雑緩和の糸口では」と分析した。

 同協会は研究で得られた知見をホームページなどインターネット上での情報発信に役立てる予定で「必要な人に必要なタイミングで情報が届くような仕組みをつくりたい」としている。研究の成果は年度内に公表する予定。