記者会見で頭を下げる京都工芸繊維大の理事・副学長ら(京都市下京区・京都経済センター)

記者会見で頭を下げる京都工芸繊維大の理事・副学長ら(京都市下京区・京都経済センター)

 京都工芸繊維大は12日、知的財産管理や研究を担当していた前副学長の森肇教授(60)が同大学の特許を侵害したとして、同日付で懲戒解雇処分にしたと発表した。

 同大学によると、森氏は理事・副学長だった2015年1月、自身が設立したベンチャー企業「プロテインクリスタル(PCC)」と同大学が共有している、特殊な薬剤カプセルの作製技術に関する特許使用権を、大学に無断で海外のバイオベンチャー企業に譲渡、PCCに使用料が入るようにした。さらに大学の事務職員に命じ、隠蔽しようとしたという。

 また森氏は、同大学の知的財産評価審査部会の部会長だった17年4月、薬剤カプセルの応用特許について、海外企業と学生1人との3者名義で英国に出願。この応用特許は同大学が単独で海外出願することが同部会で決まっており、同大学はこの特許の全権利を喪失したとしている。

 昨年1月、大学の監事からの指摘で発覚した。森氏は調査に対し、「特許は大学での研究成果ではなく、PCCでの成果だ」などと話したという。

 同大学は今後、森氏に対し刑事告訴も含めた法的措置を検討するという。森迫清貴学長は「要職についていた者の不正行為であり、極めて残念」とコメント。森迫学長は、役員報酬の10%を3カ月分返納するとしている。